「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」@川村記念美術館

水族館劇場に足を運んだ翌日の日曜日、公演終了後にふるまわれた懇親の酒がやや残ってはいたのだが、早起きして出かける。
向かうのは千葉県佐倉市にある川村記念美術館

目的はここで行われている「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」を見るためなんだけど、この美術館、レストランも併設されていて、モーニングやランチなどなかなか美味しそうなので、そちらもついでにいただこうかと。

京成上野駅から特急の成田空港行きに乗って約50分。ちなみに運賃700円。京成佐倉駅からは美術館行きの送迎バスが出ているので、そのバスの発車時刻を調べていけば、わりとスムーズに美術館にはたどり着ける。(バスは途中、JR佐倉駅も経由する)
この美術館、大日本インキ化学の創業家である川村氏の所有地らしく、えらい広大な土地の中に会社の研究所に隣接して、美術館やレストラン、散策路やグラウンドなどが整備されている。駐車場も完備されていて、休日のおでかけスポットとしては十分に認知されている様子で、訪れる人は家族連れも目立ち、とても多かった。(ワタクシは知らなかったけど)

早起きしてお腹が空いていたこともあり、まずはレストランでモーニングを。
ワン・プレートにスコーンやホットケーキ、サラダにベーコン、スクランブル・エッグといろいろ載って飲み物が付き、800円。なかなか美味しい。ちなみに昼時に隣のショップに寄ったときは、日曜日のせいかランチを待っている列があったので、ゆったりできるモーニングの方がいいかもしれない。値段もお手頃だし。

それでようやく本来の目的であるマーク・ロスコ展へ。
どんな絵を描くのかは、上のリンク先に譲るけど、世界的に人気が高い抽象画家のようだ。が、ワタクシはまったく知らんかった。

展覧会のメインとなるのは、ニューヨークのとある高級レストランの一室を飾る予定で注文を受けて作成された「シーグラム壁画」と呼ばれる一連の作品。
ロスコは一年半をかけて、この注文のために30点ほどの作品を描くのだけど、結局その注文を断り、30点の作品群は各地の美術館などに引き取られることに。この川村美術館も、ロスコの「シーグラム壁画」の一部を所蔵し、常設展示している美術館のひとつのようで、今回の展示ではその他にロンドンの美術館などから残る「シーグラム壁画」の一部を借り受け、合わせて15点が一同に展示される、というもの。しかも、当時ロスコが構想していた方法にならって展示されているそうだ。

レストランの壁を飾る想定だったせいか、ひとつひとつ絵がかなりデカイ。しかもそれがたった5センチの間隔で並べられている。なので、一定の距離を保たないと作品全体が目に入ってこない。十分すぎるほど広い展覧会のスペースも納得がいく。
ちなみに他のお客さんはどうやって見ているのかというと、腕を組んで前に行ったり後ろに引いたり、真ん中にあるソファーを次々と移動していたり、あるいは入口で貸し出していたモーツァルトのBGMも流れるという作品解説の機器をヘッドフォンで聞いていたりと、いろいろ。

作品を観ていて感じたのは、これは「環境音楽」(音楽、だけでもいいかな)とも通じるのかな、ということ。周りの環境によって音楽の響きが変化して聞こえるように、また音楽によって周りの風景がちょっと違って見えるように、この「シーグラム壁画」も観る人の内面や心情によって絵の印象が刻々と変わる、そんな感じか。

そんなことをつらつら考えていたら、ふとこんなことを思いついた。
入口で貸し出している、作品解説が適所で流れる機器。その機器だけではなく、モーツァルトやバッハなどのクラシックからジャズ、あるいはロックなどジャンル別に音楽が聴ける5chくらいの切り替え機能を備えたヘッドフォン再生機器を貸し出せばいいのになぁ、と。あるいは、展覧会にふさわしいと主催者が考えるCDを一棚くらい揃えて、再生機器をいっしょに貸し出すとか。

ともあれ、ぜひとも「シーグラム壁画」を音楽を聴きながら観たい、と思った。

それから、「瞑想する絵画」というタイトルでもあるんだし、いっそ畳とかヨコになれるスペースもあるといいかもしれない。お客があちこちで寝転がって鑑賞する展覧会、というのも悪くないのでは。

また、この「シーグラム壁画」の展示スペースにいると、ロスコ本人が自身の作品だけ構成された閉じた空間での展示に強くこだわったことがよく分かる。
今回の展示は2Fで行われて、ロスコの展示を見て1Fの常設展を観たのだが、正直、なんか具体的なものが描かれている絵はもういいいか、という気になったのだった。もちろん、単体としてレンブラントやシャガールやピカソの絵が「つまらん」ということではない。おそらく、そういう気分になった大きな理由は、脈絡の無い(作れない、できない)展示のしかたにあるのだと思う。いちおう、収蔵作品を年代やジャンルごとでそれなりに整理して見せている美術館の展示でさえ、こういった気分になるんだから、レストランの一室にロスコの絵だけを配置したとしても、「展示」ということではかなりダメダメだったろうと想像される。
ロスコが断ったのも理解できる。

今回のマーク・ロスコの展覧会は、好評につき6月11日まで延長されたようだ。
通常の美術展覧会とはちょっと異なり、なかなか得難い体験ができるので、レストラン、散策路も含めて訪れてみる価値はあると思う。
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by t-mkM | 2009-06-02 23:40 | Trackback(2) | Comments(0)
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