先月のロバート・B・パーカーの死去につづいて、数日前にはディック・フランシスの訃報がニュースに流れていた。
ロバート・B・パーカーの記事は以下。 http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012001000675.html ディック・フランシスの記事は以下。 http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010021501000188.html いずれも共同通信の47NWSより。 (ちょっと検索したところ、ロバート・B・パーカーの訃報は共同通信のニュース記事にはあったけど、時事通信では無かった。時事通信に限らず、有料サービスを使えばどこの報道機関も過去記事を見られるのだろうけど、いまどき、せめて数ヶ月間くらいは検索で記事が見られるようにならないものか) お二人の作家とも、リアルタイムで作品を読んだ、とまでは言えない。ただ、以前は古本屋で文庫本を見つけては買い込んで読んでいたこともあって、こう立て続けに訃報に接すると、寂しさも増してくる。 ディック・フランシスといえば『競馬シリーズ』のミステリで、なかでも片腕の騎手シッド・ハレーを主人公にした『大穴』『利腕』などは評判が高く、もちろん読んだし、そして面白かった。 また、ロバート・B・パーカーは、最近ではいくつかのシリーズを平行して書いていたけど、なんといっても代表作は『私立探偵スペンサー・シリーズ』だろう。実を言えば、ワタクシもこのシリーズしか読んだことはない。死去後の追悼記事などをみると、ハメットやチャンドラーらによって確立されたいわゆるハードボイルドの形式を現代に継承して甦らせた立役者、ということのようだけど、生前、そういう評判はあまり聞かなかった気がするなぁ。 そして、両者に共通することと言えば、これはもう故・菊池光による翻訳でしょう(当然、日本だけだけど)。 『競馬シリーズ』はすべてが漢字二文字のタイトルで統一されていたけど、『スペンサー・シリーズ』にも漢字二文字のタイトルは多い。この漢字二文字のタイトルは、どれも見事な翻訳だと思う。「子どもが大人のような話し方をしている」等々、その訳文にはいろいろと言われたこともあったけど、この二つのシリーズが日本でも広く読まれたのは、菊池光の訳文によるところも大きいかったはず。 『競馬シリーズ』は、べつにハードボイルドというわけではないけど、ストイックな主人公という点ではふたつのシリーズには共通するところもある。思い返せば、ハードボイルドな文体として個人的にもっとも接したのは、菊池光の訳文なのかもしれない。
by t-mkM
| 2010-02-18 00:22
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