高山宏のギャラリートークに酔う

昨日の日曜日、午前中はいつものようにジムへ、ひさしぶりに1時間のランニング。
このところ、ローリング・ストーンズの代わりにランニングのお供になっているのはエアロスミス。何年ぶりかで来日するようで、今月末には東京ドームで2daysらしいが、そういう脈絡とは関係なく、数年前に出たラスベガスでのライブCDが意外によかったので、iPodに入れてみた。それ以外には70年代後半の歌謡曲。「青春歌年鑑」というタイトルのついたCDシリーズを図書館で見つけ、コッパズカシイ…と思いつつ借りてみたのだが、この頃のヒット曲をあらためて聞き直してみると、これがいいのである。
たとえば「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」。その当時、バッチリと決めてるくせにぼそぼそ歌ってて、「へんなの」くらいにしか感じていなかったように思うが、語るような歌い方や女性を追いかける場面をショットで切りとるかのような歌詞はいまでも斬新に響くし、最後に汽笛が鳴るのもなかなか。「東京ララバイ」なんてのも聞くたびに傑作だと思うし。中原理恵、いまはどうしてるのだろうか。

午後からは新宿へ。
K(かんから)から聞いたツイッター情報によれば、紀伊國屋本店のギャラリーで開催中の高山宏「学問はアルス・コンビナトリアというアート」展で、4時半から高山さんのトークがあるというので行ってみた。
 高山宏「学問はアルス・コンビナトリアというアート」展(15日まで)
 http://www.kinokuniya.co.jp/label/20110930115800.html

前日に紀伊國屋ホールで行われた『新人文感覚』(羽鳥書店)全2巻完結記念のトークライブには行けなかったものの、こちらの展示はぜひにと思っていたので、時間を合わせてギャラリーへ向かう。
その前に、ひさしぶりに新宿駅東口のカフェ・ベルグへ。相変わらず混んでいるものの、話し声でにぎやかということもなく、一人、二人の客でしめられているためかざわめきがちょうどよい感じ。ルミネのファッションビル化によって立ち退きが迫られている状況はつづいているようだけど、ぜひふんばってもらいたいところ。

4時ごろに紀伊國屋本店の4Fにあるギャラリーへ。
4Fにまであがったのははじめてか。もちろんギャラリーには来たことがなかったけど、わりとゆったりとした空間で、イベントとして使われるためのスペースといった感じ。
入口では高山さんの著作や関連の本の販売があり、つづいて高山さんの自宅から持ち込んだ愛用の机や、大型の美術書を中心とした和・洋の蔵書が展示。種村季弘や荒俣宏などからの手紙や、昨年客演?した水族館劇場の写真なども。机の上にはOEDの一巻が広げられているのだが、この日のギャラリートークのなかで、広げているそのページにも意味があることが語られた。
そのトーク、4時半過ぎからはじまって切れ目なく約1時間半。立ったままで身ぶり手ぶりをまじえ、ときには聴衆の爆笑も誘いつつ、OEDの知識をバックに文学から工学まで、長い歴史も見据えながらも縦横に、かつアクロバティックな展開で語っていく。冒頭、「授業では学生に、ノートなんかとるな、聴けと言ってる」と話していたけど、まさに生、ライブでしか味わえない話術。
テキストとテクノロジーの異同からはじまって、漱石と英文学、design(デザイン)ということばに関するあれこれ、factとfictionのおどろきの関係など、思ってもみなかった指摘の連続。途中、「正しいとか間違いとかには興味がない。自分自身の見方が提示できたかどうかだ」といった趣旨の発言が印象に残った。また高山さんは語らなかったけど、大震災からこっち、信頼が急落した原子力分野はもとより、学術や学問が文理をこえてどう再編・復興していく(べきな)のかと、不相応にも思ったりした。
まあ、それだけ射程の広い、刺激にみちたトークであったと。


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by t-mkM | 2011-11-14 00:40 | Trackback | Comments(0)
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