15日の日曜日、Iさんに声をかけていただき、本関連の知り合いといっしょに聴いた。
会場であるPARCO劇場も、「志の輔らくご」も、これが初めて。 以前から「志の輔らくご」の評判というか、面白いというウワサは聞いていたけど、落語としてはもちろんのこと、劇場という舞台装置も活用した"語りの芸"とでも言えばいいかのか、その面白さをぞんぶんに堪能した約2時間40分ほど。すごいね、立川志の輔という人は。 正月早々の公演のせいか、会場入口のロビーには樽酒が積んであり、テレビなどでよく見たり聞いたりする著名人からの花やお祝いがあちこちに目につく。いやまあ、華やかなこと。 休日なので15時からのマチネ。演目は3つ。 落語だから前座でも出るのかと思いきや、最初から志の輔本人が出てくる。いわく、この「志の輔らくご」は一人で前座・二つ目・真打とやってるようなもの、ということらしい。ブログなどを検索して書かれた感想を見ると、どうやら演目は固定されているようで、最初は「タイムトラブル」、つづいて「メルシーひなまつり」、休憩をはさんで最後は古典落語の「紺屋高尾」。 「タイムトラブル」の後半の演出も目をひいたけど、「メルシーひなまつり」でのラスト、暗転した後で舞台後方にライトが当たったときには驚いた。それまでの話しの流れで頭のなかにイメージされてきたヒナ段飾りそのままが、とつぜん目の前に現れたのだから。この趣向にはビックリ。斬新。 けれども考えてみると、ここに至るまでの話術によって観客の頭の中にどれだけ具体的なイメージを喚起させるのか、そしてそのイメージどおりのものをいかに出現させるのか、それがトータルで問われる、けっこう高度(というかリスキー)な出し物なのではないか。 最後の「紺屋高尾」。 じつは談志をナマで聴いた最初で最後の噺が、この「紺屋高尾」。終演後のカーテンコール?で披露されたエピソードによれば、「紺屋高尾」は談志が好きだったネタの一つで、志の輔が二つ目になった最初に稽古をつけてもらった大ネタが、この「紺屋高尾」だったとか。 定番の江戸噺ではある。志の輔の話しぶりは、高尾太夫に会いたいがために3年で15両という大金を溜め、一晩で散財する、そういった奉公人の無謀なる決意を親方など周りが止めずに、むしろ後押しするような場面を丁寧に描いていたような印象をもった。 冒頭のタイムトラブルのマクラで話された「科学者たちが作ると言って実現させてきたモノたち」や、紺屋高尾での思いをとげる奉公人…、こうして並べると、今回の演目では希望とか意志というのが通底するテーマだったか。 志の輔の話術にたっぷり浸った3時間弱。チケットをゆずってくれたIさんに感謝。 あー楽しかった。
by t-mkM
| 2012-01-17 01:28
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