先週末の土曜日、新橋駅前のSL広場でやっている古本まつりが最終日なので、いつもとは違う古書市(店)をのぞいてみるのもいいかと思い、出かけた。
午前中から行ったのだけど、本を見て回っていると暑いくらいの陽気。テントの数も多く、けっこうな出店数かと思われる。なんだけど、このところは均一本などの古本ばかりを見ていたせいなのか、どーもいまひとつピンと来るモノがなく、これというものが拾えずに時間だけが過ぎていく。しかたがないのでここは早々にあきらめ、いつものように神保町へと寄ってみることにした。 地下鉄で神保町駅へと向かい、さっそくいつも立ち寄る古本屋に行ったものの、ここでも収穫はイマイチ。最後に行った田村書店の店頭で何冊か購入。まあこんな日もあるさと、自らをなぐさめながらいったん帰宅。 夕刻になって三軒茶屋へと出かける。 太子堂八幡神社で公演中の、水族館劇場『NOSTROMO あらかじめ喪われた世界へ』を観るためだ。 さすがに初日とは違い、土曜のせいかお客さんも格段に多い。 予告どおり、6時45分ころからテント会場外の境内でプロローグ開始。このプロローグからして、初日とはかなり違っていて引き込まれる。役者の立ち位置が変わり、セリフ回しも微妙に異なっていたか。合唱の場面でも、歌詞をリフレインする男優陣が一箇所にまとまって声を響かせていたり。展開に緩急がついて、人物紹介としてより明確に、引き締まった感じで、プロローグだけでも見応えがあった。 この日、客入れが終わってみると満席。このくらいになるとお客さんのノリも違ってくる。観ている側としては、あんまり座席が窮屈なのも困るけど、やっぱり水族館の芝居にはこのくらいのお客さんがいないことには、何にせよ盛り上がりに欠けるというもの。 そしてプロローグだけでなく、本編のほうでも初日とくらべてセリフとシーンが増えており、時間軸を行き来する重層的な物語りの構成が、昨年の博多公演『NADJA 夜と骰子とドグラマグラ』などこの間の芝居とのつながりまでふくめて、クッキリと浮かび上がってくるように感じられた。観ていて、今回のタイトルにある「あらかじめ喪われた世界」という意味が、おぼろげながら分かるようにも。 また、幕間での楽団が登場する位置が低くなって(上下するハシゴの位置をつけ直したか)見やすくなっており、その演奏を終わらせる演出もなかなかカッコイイ。そしてラストのシーン。いつもの水落としの演出ではあるものの、今までにないような水落としの使い方ではなかろうか。そんなこともあってか、水が落ちきった後の展開はしみじみと切ない場面になっていたように思えた。それと、このところ本公演で続いていた「屋台くずし」は、今回は無いようだな。 舞台が暗転したあと、役者たちが舞台前にずらっと一列並んだので、いつものように紹介が始まるかと思いきや、最後に登場した千代次さんから締めのあいさつがあって、「ありがとうございました!」で終わり。恒例である桃山さんによる役者陣の紹介は無し。 あとで聞くところ、この終わり方には賛否両論があるんだそうだけど、こういうスマートな終わり際もよいのでは。 最後の最後、千代次さんのひと言を聞くにおよんで、はからずもグッと来た。 今週29日(水)から3週目、6月4日(火)の千秋楽まで連続公演。 千秋楽までの間に、また行くとするか、な。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 水族館劇場 3年ぶりの東京本公演 『NOSTROMO あらかじめ喪われた世界へ』 5月17㊎18㊏19㊐23㊍24㊎25㊏26㊐29㊌30㊍31㊎ 6月1㊏2㊐3㊊4㊋ 全公演夜7時 開場開演 全席桟敷期日指定 上演時間約130分 開場前6時45分より、恒例の劇場外顔見世(プロローグ)あり! 三軒茶屋 鎮守の杜太子堂八幡神社境内特設蜃気楼劇場「夜の泡〔うたかた〕」 詳しくは公式サイトを →http://suizokukangekijou.com/news/
by t-mkM
| 2013-05-28 00:39
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