週末、ツタヤがDVDレンタル100円セールをやっているというので、散歩ついでに立ち寄って借りてきたものの一つ、『桐島、部活やめるってよ』をいまさらながらに観た。
原作は2009年に小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー小説。 その原作も話題になったけど、映画のほうもけっこう評判が良かったことを記憶している。実際、その年(2012年)の日本の各映画賞をあれこれ受賞しているようである。 詳しくはwikiの 「桐島、部活やめるってよ」の項目 を 以下はアマゾンにある紹介文の一部。
小説は読んでいないけど、この映画、評判に違わずとてもよくできている青春群像劇、と思えた。 舞台が高校だし、登場人物も多いけれど、各人のキャラクターが映画の流れにそうように自然に描き分けられていて、イケてる高校生とそうでない生徒はもちろん、微妙な立ち位置の生徒のキャラも観ているこちら側によく伝わってきた。 とつぜん姿を現さなくなる「桐島」。 その「桐島」の不在をめぐって繰り広げられる教室内やら校内のドタバタ。 観ながら頭をよぎったのは、これは平成・日本における「ゴドーを待ちながら」か? ということ。とはいえ、その「ゴドーを待ちながら」という芝居はまだ観たこと無いんだけど。 それと、同じ日時で同じ場所での出来事を、異なる視点(人物というか)によって繰り返し描きだしていく手法が、最初は「?」と感じられるのだけど、しだいに効いてくるところがウマい。後半、吹奏楽部が練習している演奏をバックに、校内ヒエラルキー”下”である映画部の面々が、”上”である桐島の周囲にいる生徒達へ向かい反撃する場面に、ゾンビ映画の画面がかぶさってくるところなどもなかなか。 アマゾンなどを見ると、高評価が多数をしめる一方、ペケだという評価も一定数あって、分かれている。 映画の最後で、「それでも俺たちは生きて行かなければならない」というセリフがあるけど、これをリアルに感じられたかどうか、そこが評価の分かれ目なのかもしれない。
by t-mkM
| 2014-06-18 01:12
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