高橋和巳『邪宗門』に圧倒される

古書赤いドリルさんのブログを読んでいて、桐野夏生が『文藝春秋』で連合赤軍に関する小説の連載を開始したことを知る。
さっそく書店によって『文藝春秋』をみてみると…、たしかにその通りである。
これはまったくノーマーク、知らなかったなぁ。

連載第1回は、現在の視点で描かれているようだけど、これからどうなるのやら、気になる。

閑話休題。
べつに連合赤軍とはまったく関係ないのだけど、この間、もろもろあって、河出文庫から復刊された昔の小説を読んだ。

『邪宗門 (上・下)』高橋和巳(河出文庫、2014)


文庫だけど、1300円(税抜)x 2冊で、合計1200ページを超える大作。
1965年に当時の『朝日ジャーナル』に連載され、翌66年に単行本として出て、ベストセラーになったようである。その後、絶版・復刊を繰り返したようだけど、長らく絶版だったのがこの8月に河出文庫から再び復刊。解説は佐藤優氏が書いており、氏いわく「日本が世界に誇る知識人による世界文学」だとか。
以下はアマゾンに載っている上巻の内容説明から。

昭和六年、母を失くし「ひのもと救霊会」を訪ねた少年・千葉潔は、教団に拾われた。やがて時代は戦争へと向かうなか、教団は徹底的に弾圧を受け、教主は投獄される。分派、転向、独立…壊滅へ向かう教団の運命は?一九七一年三九歳で早逝した天才作家が『朝日ジャーナル』に連載した日本文学の金字塔。

その昔、大学の教養部で授業を受けていた頃。
第2外国語で選択したドイツ語の教師が、どういう話の流れだったのか忘れたけど、ある日の講義で「君たちに勧める小説」をいくつかあげたことがあった。その時の1冊に、高橋和巳『悲の器』があったのを、なぜか今でも覚えている。
あれからずいぶん経つけど、”高橋和巳”の名前はアタマに刻まれたままに、これまで2、3の文章を読んではみたものの、彼の小説はついぞ読んだことがなかった。

それから、少し前のエントリでとりあげた小坂井敏晶という人の本のあとがきだったかで、「折にふれては高橋和巳を読み返す」という箇所を読んだ。そんなきっかけもあって、おそらくは高橋和巳の代表作であろう大作の『邪宗門』に、いきなりだけど手を出したというわけ。

漢字が多い美文調の文章は、全編にわたってとっても濃密であって(文面の黒いこと…)、どこまで読んでもリーダビリティがあがっていかず、いやー、もう読み進むのに時間のかかること。とはいえ、どこか生真面目だけれども波瀾万丈の壮大なる大河ドラマを見せられている風でもあって、読むスピードはノロノロとではあるけれど、物語にとらえて離さないパワーがみなぎっている、とでもいうか。

いろんなテーマ、モチーフがぶち込まれ、登場人物もかなり多岐にわたるので、およそ簡単な内容紹介を許さない感じだけど、いやもう、圧倒されました。
これを機会に、高橋和巳の他の小説にも手を出してみようか。

<追記>
最近のネット記事で以下を見つけたので、参考までに。
「危険すぎる「邪宗門」 対論なき現代に生き方を問う」
(産経ニュース、2014.10.13 11:00)
http://www.sankei.com/life/news/141013/lif1410130020-n1.html
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by t-mkM | 2014-10-21 00:55 | Trackback | Comments(0)
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