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古本屋で生計を立てるには

またしても、少し前に出た雑誌から。

今回は『週刊エコノミスト』2015年5/5・12 合併号。
表紙には「世界株高の落とし穴」というデッカイ文字が躍るが、そのすこし下には半分くらいの大きさの文字で「GWは古本屋が熱い!」という文句。新刊書店で見かけた際、「へぇー、経済雑誌にしてはめずらしいじゃん」と思ったので、図書館で見て、思わず借りてきた。

特集は「いま古本屋が熱い!」と題して、10ページにわたっている。
ここ数年の清澄白河、中央線沿線、神保町の変化、岡崎さん司会による3人の古書店主による座談会、全国の特徴的な古本屋の紹介 by 古ツアさん、魚雷さんによる本の売り方・買い方、など、古本に関して幅広く目配りのきいた記事が集まっているように感じた。

この中で、「古本屋の経営」というかなり具体的な囲み記事があったので、メモ。古本よみた屋さんによる話を、編集部がまとめたものだ。

「1日120冊売って 年収400万円を目指す」
とタイトルにある。その中身はつぎの通り。

 売る本の単価は平均で1冊500円程度。また、売り上げに対する利益は、本の仕入れ、家賃、光熱費などを考慮して2割程度と想定する。この前提に立つと、年間2000万円の売上高が必要になり、1ヶ月で3000冊を売る必要がある。週休1日で月25日営業とすると、1日に120冊売らなければならない。

若干、計算が合わないような気もするが、まあおおむねこんな感じか。
また、よみた屋さんは「計画性もなく安易に始めると失敗するが、古本屋をやるのに特殊な才能は必要ない」とも。

さらにページをめくると、ライターの風間氏によるルポ、「「せどり」で月50万円を稼ぐ お宝の古本探しで生活する方法」という記事が載っている。
東大文学部を卒業後、出版社勤務や編プロを経て古本屋で働いた後、せどり専業になったYさんを追ったもの。ちなみにYさんの1日はこんな感じ。

 …午前中はアマゾンなどで古本の相場をチェックして、その日探す本の目星を付けることから始まる。午後に古本屋に出かける、基本はブックオフとまんだらけ。場所は秋葉原、新宿、渋谷、池袋、中野、吉祥寺など大型店舗がある地域だ。(中略)
 欲しい本が1軒目で見つからなければ、2軒、3軒と回ることになる。それでも見つかる保証はないが、「何軒か回れば、必ず何かあるものです」。
 仕入れた本はアマゾンで出品。本の写真や説明を載せて、売れるのを待つ。だいたい3ヶ月以内に売れることを想定し、半分程度はその間に売れるという。売れ残ったのは値段を下げながら在庫処分を行う。

いずれにしろ、本を売って生計を立てるには、文字どおり「毎日が本にまみれて」いないと、ダメらしい。
by t-mkM | 2015-06-25 01:24 | Trackback | Comments(0)


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