これもネットを徘徊していて見つけたのだが、精神科医の中井久夫が「精神健康の基準について」という一文を書いている。もう以前に発表された文章のようで、検索するとそれに言及しているブログなどがいくつか出てくる。
ちょっと興味を覚えたので、「精神健康の基準について」が収録されている本を図書館から借りてきて読んでみた。 『「つながり」の精神病理』中井久夫(ちくま学芸文庫、2011) 全体として80年代あたりを中心に書かれていながら、いまこの時点で読んでも「なるほど」と思える含蓄のある文章がいくつもある。 まあでも、とりあえず、その「精神健康の基準について」について書いておく。 (以下の引用などは、すべて上記の本のうち「精神健康の基準について(p237-248)」からによります) まず「へぇ」と思ったのは、健常者を定義できない、ということ。 冒頭を読むと、
と書いてある。これは目からウロコ。 精神科医にして精神の健康を定義できないとは、ちょっと驚く。とはいえ、じゃあ心身ふくめて”健康”というのはどういう状態なのか? と正面切って問われると、それはそれで言いよどむかなぁ、とも思う。「この人大丈夫?」という境界的な方であっても、フツーに生活しているような人はそれこそフツーに見かけるし。 それで、 そこで精神健康の定義も、精神健康をあやうくするようなことに対する耐性として定義するのがよいのではないだろうか ということで、これ以後、その定義が語られていく。 いっそのこと全文を引いておきたいけど、とりあえず傍線が引いてある箇所を中心に、以下、箇条書きにしてみる。
以上の十五個が、精神健康の定義、ということになる。 そして、さらに追加するように 「また、ある状況下では、独語する能力も精神健康上プラスの意味を持つ。」ともある。 以上、ときどき自身をふりかえってみる基準として、これから使ってみようと思う。
by t-mkM
| 2016-02-03 00:42
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