水族館劇場 三重・東日寺での野外本公演を観る

先週末、水族館劇場の本公演を観るべく、三重県津市まで一泊で行ってきた。

せっかくなんで、早めに出て午前中のうちに名古屋駅へ到着。
以前、名古屋に来たときにはいかにも昭和なビルが駅前にけっこうあったけど、大名古屋ビルジングはじめ、ほとんどがいまどきの高層ビルに建て代わっている。駅前風景が一変したよなぁ、とつくづく感じる。この変貌ぶりや高層ビル密度たるや、東京駅周辺を超えているのではないか? で、そんなあたりを昼飯をもとめてさまよったけど、ここはという店がなく、歩き回ったあげくに大名古屋ビルジング並びの古いビル地下の飲食店街(とはいえ数店のみ)のひとつに。金目鯛煮付けとお造りのセット定食900円を、新聞読みつつ、ビール飲みながら食べる。駅に近くて、わりとゆったりできて、穴場である。いい店を見つけた。

名古屋駅から近鉄に乗り、津駅まで急行で約1時間。
津駅に隣接するホテルにチェックインし、ちょうどホテル前にある三重交通の椋本行きバス乗り場でバスに乗り、終点の椋本まで。30数分だったろうか。
バス停から街道沿いに歩いて数分のところに、いつもの幟がはためいていて、ここが会場である東日寺への入口。正面に受付の木戸があり、その後ろにテント小屋が見えているのだが、肝心のお寺の本堂などはまったく見えない。それもそのはず、そう広くない境内を目一杯つかって芝居小屋が建っており、本堂とはくっつかんばかり。このギリギリ目一杯まで境内を使っているところ、なかなかスゴイ。

午後5時半から受付開始で整理券を出すということだったが、もう4時過ぎから地元とおぼしき方々が並び始めていた。せっかく来ているのだからと、列に並んだが、5時半までヒマなので、となりのおじいさんたちと話す。その間にも、つぎつぎと受付の行列に人が並んでいくのだけど、そのたびに「ああ、久しぶり」「こんにちわ」「○○は××しとった?」などという会話が飛び交う。来る人来る人、列に並んでいる誰かと知り合いのようで、声を掛け合うのである。地元の方々みなさん仲がよろしいのか、そういう土地柄なのか? ま、よく分からないけど、地域コミュニティの日常がそのまんま、この行列にも現れているかのよう。これはちょっとしたカルチャーショックであった。

受付も終わって6時15分になり、会場ほど近くの空き地で前芝居の開始。
例によって座長・桃山さんの口上がひとしきりあって、始まり。登場人物の紹介という側面が強いけど、役者がほんものの鴨(舞台でも使われている)を持って出てきたり、棒の上を渡ったり、火が出て、ダンプが走ってきたりと、つかみは十分といったところ。物語としては、ここ数年続いてきた大黒天とオババをはじめとする虚ろなる世界と現実とのやりとり、という構造は踏襲されているよう。
そういえば開始前、珍しく?エゴ・ラッピンの曲が流れていたっけな。

この日、前日ほどではなかったそうだけど、それでもお客さんの人数が多いので、客入れにはけっこう苦労していた。超満員となり、なんだかんだで本編の開始は7時頃。
冒頭から、"二大看板女優"である風兄さん・千代次さんとの掛け合い。こういう場面を久しぶりに見た気がする。さらに、役者数名によるいきなりのミュージカル調でコメディ・タッチの踊りには、ちょっとビックリした。そして前半のラスト、水が噴き上がるなか、池から龍が出てくるところは、「見世物芝居」としての本領発揮という気がしたな。

幕間では、今回、芸濃町に水族館劇場を招いた伊藤裕作さん主演による短いモノクロ映画?が上映されたり、役者たちによる漫才風おしゃべりがあったり。ただ、ここでの舞台転換に思いのほか手間取っていたようで、この辺り、人手不足がいかんともしがたいのかなぁ、とも感じられた。

で後半、突然に舞台セットが崩れるハプニングがあったけど(これ自体も客に受けていた)、舞台崩しは派手にあり、水落としも盛大に2度もあったりして、会場のあちこちで「おぉ~」という声があがる。とはいえ、物語としては「えっ、もう終わっちゃうの?」という感じで、8時半くらいには終了していた。正直、なんだかもの足りなさがくすぶる、そんな感じ。そうそう、ラストでは複葉機まで出てきていて、いやもう、その徹底ぶりには感服。

終演後、予約していた津駅行きの乗り合いバスがすでに来ていたため、劇団の皆さんやお客さんらと話しをする時間がほとんどなかったのは、ちょっと心残りではある。でもまあ今回、芸濃町での水族館劇場の芝居を観ていて、桃山さんとしてある意味での開き直りというか、覚悟のようなものが感じられた、かな。

今回の芝居の背景やストーリーについては、「三重ふるさと新聞」に詳しい記事があったので貼っておく。
http://furusato-shinbun.jp/2016/04/14-41.html
以下、『パノラマ島綺譚』との関連を説明している記事の一部。

同劇団の作・演出の桃山邑さんの完全描き下ろしの新作となる今回の劇の下敷きとなっているのは三重県出身(本籍地は津市)の小説家・江戸川乱歩の中編小説 「パノラマ島綺譚」。この物語の中心人物は、若くして亡くなったM県T市出身の大富豪・菰田源三郎とその同窓生で容姿が瓜二つな主人公・人見廣介。菰田と 入れ替わり、巨万の富を手にした人見が、離島を改造した人工の理想郷・パノラマ島をつくりあげていく中で起こる事件を描いている。M県T市はもちろん、三 重県津市を指している。

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by t-mkM | 2016-05-19 00:47 | Trackback | Comments(0)
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