獅子文六の復刊された小説たち

なんだか、いつの間にか獅子文六がブームのようだ。

以前、単行本の『食味歳時記』を古本屋で見つけて購入し、読んでいて、その文章に惹かれたのだけど、その後、復刊した小説『てんやわんや』(ちくま文庫、2014)を読んだら、これがまたすこぶる面白かった。

それから、しばらくは獅子文六には手が伸びていなかったのだが、ちくま文庫での獅子文六の小説復刊はその後もつづいている。ちくま文庫で復刊された獅子文六の小説は、復刊の順番にならべると以下のとおり。
(カッコ内はオリジナルの刊行年。ウィキペディアによる)

(1)『コーヒーと恋愛』 2013年(1963年)
(2)『てんやわんや』 2014年(1949年)
(3)『娘と私』 2014年(1956年)
(4)『七時間半』 2015年(1960年)
(5)『悦ちゃん』 2015年(1937年)

で、(2)につづき、最近になって(5)→(1)→(4)と、たてつづけに復刊された小説を読んだ。
いやもう、どれもみな面白い。
もちろん、固有名詞には時代を感じるし、言い回しにもいまどきではお目にかからない独特のものがあったりするけど、決して古びていない。いま読んでも十分に楽しめる。とくに(1)や(4)なんて、晩年の70歳辺りで書いたものだけど、手慣れた筆致を感じさせる一方で、およそアラウンド70(!)とは思えない、とても若々しい印象がある。

で、検索しながらアマゾンを眺めていると、またも復刊されるようだ。

(6)『自由学校』 2016年6月(1951年)

加えて、中公文庫のほうでも今年になって『食味歳時記』が復刊された。
解説はエンテツさん。

こうなると、ちょっとしたブーム、の感がある。また復刊された小説は映画になっている作品も多いので、この間に読んだ小説の映画を、DVDで借りてきて観る、というのも一興か。
ともあれ、これで古本屋をめぐる楽しみも(さらに)増えたことだし、週末はひさしぶりに神保町か、な。
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by t-mkM | 2016-06-09 01:04 | Trackback | Comments(0)
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