ウルトラライト、という思想

知ったきっかけが何だったのか、いまとなってはまったくもって覚えていないのだけど、たしか以前にネットを彷徨っていて目にし、気になって地元の図書館にリクエストし、ようやく届いたのかこの本。

『ウルトラライトハイキング』土屋智哉(山と渓谷社、2011)

副題には「Hike light, Go simple」ともある。
以下は例によってアマゾンの内容紹介。
本邦初のウルトラライトハイキング解説本。
アメリカの3000kmを超える長大なトレイルを数ヶ月かけて歩き通すスルーハイカー。
彼らは独自の理念で既成の商品にはない軽くシンプルな道具を自作し、歩き通すためのノウハウを確立してきた。
本書はアメリカ生まれのウルトラライトハイキングを解説するとともに、日本での実践方法を紹介します。
2週間の山行で総重量13kg、足元はスニーカーで充分、マットは切って使用など目からウロコの内容盛り沢山。
最初の1/3くらいで、"ウルトラライトハイキング"なるものの歴史や背景となる思想、その原則や日本でのスタイルなどが語られ、その後2/3で実際のトレイルで使うバッグパックや寝袋、テントやウェア、持ち運ぶ飲食物などについて、どういう事柄を優先し、何を選ぶのかが解説されていく、といった内容。

もう昔のことだけど、ハイキング程度の山登りならやったことがあって、その時には知人の勧めもあり、わりとガッチリしたハイカットの靴やザックを買った覚えがある。いまはずいぶんと洗練されて軽量かつスマートになっている登山用品だけど、それにはこんな背景もあったんだなと、遅ればせながらよく分かった。

全体として、ウルトラライトハイキングのマニュアルというよりも、その哲学や原則的な考え方、ルールを徹底して説く、という感じなので、これを読んだら即実践! というにはちょっと心許ないかも。
ただ、環境に対してローインパクトであること、「軽さ」の向こうにあるシンプルでスマートなこと、というその哲学は、なにもハイカーだけでなく、フツーの生活全般にも十分に応用可能ではないかと思う。たとえば、タオルじゃなくてなぜバンダナなのか、なんていう視点で暮らしの道具類を見つめ直してみるのも、目ウロコだったりするかもしれないし。
ちなみに、スペア衣類に何を優先するのか? という項目で、(吸水性速乾シャツを着ているという前提だけども)カットソーやパンツよりもソックスを優先する、というくだりには興味を覚えた。

なお、パッと見るとアメリカ原書からの翻訳本か? と勘違いするかのような装幀(と文面)だけど、まぎれもない国産なので、その点はご注意を。


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by t-mkM | 2016-12-09 00:55 | Trackback | Comments(0)
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