大学時代の友人にネット上で古本屋をやっていることを知らせたら、すぐに自身のブログ「じゃのみちはやぶへび」で古本Tを紹介してくれた。
感謝です、サンクス。 この友人、ブログにあるとおりジャニーズのファンで、数年前からはsmapや嵐のコンサートで全国を回っているらしい。ワタクシにとってはそれだけでもスゴイのだけど、加えて演劇や演芸・バレエなどなど、とにかく「生」の舞台を見ることにかけるエネルギーがハンパでない。 職住が接近していることもあって、ふだんの生活圏が3キロ四方くらいに収まっているワタクシとはエライ違いである。 ちなみに、この友人のおかげで、Kとともに歌舞伎座で米朝の落語を聞くことができたりもしている。 このところ、細々とはいえネット上で古本屋を始めたこともあって、本というメディアそれ自体をあらめて「面白い」と感じるようになってきた。これまでの乱読趣味とも相まって、ますます「本ばっかり目に(手に)している」ということになりつつある。 うーん、ちょっとこれではイカンな。 たまには3キロ四方の生活圏から抜け出して行動しないと。 と言いながらも、今日読んでいた本は『魔王』伊坂幸太郎(講談社)。 タイトルと、帯にある「世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。」という一文から、てっきり「圧倒的なパワーに対峙する主人公」といったような筋を想像をしてしまう。けれど、それだけではない。 この本、エンターテイメントとしてはめずらしく、ファシズムや憲法、9条改正、国民投票といった、すぐれて今日的で政治的な事柄を大きな背景としている。一方で、この著者の小説らしく、登場人物たちによって交わされる独特のテンポとセンスによるやりとりが、相変わらず絶妙だ。 あえて言えば、上で書いたような背景と、登場人物たちの織りなす日常との「間」に生じている何かが、この本のキモなんだろう。 その「何か」をどう受け止めるのかは、読み手に任されている、そんな感じ。 また、いくつかの謎がそのままで終わっているけど、著者はあえてそうしているようにも思える。 いい意味で読む側から入り込めるスキマのある、「開放系」の小説とでもいえようか。
by t-mkM
| 2006-06-20 17:44
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