というわけで、読んでみた。
『犬はどこだ』米澤穂信(東京創元社)
『このミス』では8位だとか。ランキングは見たはずだけど、まったく印象に残っていない。(というか、ミステリをあまり読まなくなっただけかも)
Uターンして東京から出身地に戻ってきた主人公。犬探し専門の調査事務所を開いた、はずだった。しかし、持ちこまれる仕事は失踪人探しに古文書の解読依頼。事務所に転がり込んできた後輩とともに、手分けして調査を進めていくと...。
シリーズ化を予定しているためか、登場人物の背景説明にやや物足りなさを感じるものの、おもしろい。とくに後半、ふたつの調査がしだいに交錯しつつ、結末に向けて意外な方向へ動き出していくところなど、けっこうスリリングだ。
ラストもいろいろと考えさせられる幕切れ。
『さよなら妖精』も良かったけど、毛色の異なるこの小説も、早く続編が読みたくなる。
米澤穂信、要注目だ。