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「ブ」にて

この小説、昨年に刊行された頃には、ちょっと話題になっていたこともあって、読んでみました。


『ブラバン』津原泰水(パジリコ)
メンバーの結婚を機に、高校の吹奏楽部を25年ぶりに再結成しようとする話しなのですが...。

いや、よかったです。

「あのころはよかった」的な青春回顧小説かと思いきや、ぜんぜん違います。
語り手である、流行らないバーのマスターを筆頭に、登場人物の誰もがひと癖ある人物で、また高校卒業後のそれぞれの生活ぶりも、いろいろと問題を抱えていて、それでも再結成にむけて動き出していきます。高校の部活を回想するシーンも、あのころの独特な感情やノリといったようなものが、うまく再現されているように思えました。

一筋縄ではいかない小説なので、感想もちょっとまとまりませんけど、80年代初頭に高校生だったり、中学だけでしたが吹奏楽部にもいたことがあるので、個人的にはかなりヒットでした。

それにしても、以前に読んだこの著者の『ペニス』とはまったく違う作風なのにも、驚きです。

今晩は新宿駅近くでの用事のついでに、代々木「ブ」にて10冊ほど買い込みました。
『デジタルを哲学する』黒崎政男
『週刊誌風雲録』高橋呉郎
『暴力批判論』ベンヤミン
『漱石先生雑記帖』内田百けん
『芥川龍之介雑記帖』内田百けん
などなど。
by t-mkM | 2007-05-18 01:19 | Trackback | Comments(0)


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