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聴きたい気にさせるクラシック本

ちょっと面白いエッセイを見つけたので、urlをメモ。
「涙もろい隣人に囲まれた社会的孤立」
http://www.rengo-soken.or.jp/dio/no224/siten.htm

これ、連合総研による「月刊レポート DIO」2月号の「視点」というページに掲載されているもの。
タイトル「涙」に絡む部分は、「容易に理解されない日本人の涙の典型例としてよく引き合いに出されるのが、アントワープ大聖堂のルーベンスの絵の前でウルウルしている日本人の姿である。」というところから始まる。なんで日本人は異国の地、異教の場にも関わらず、その場で泣いてしまうのかと言えば、そう「フランダースの犬」のせいである。(でもその昔、テレビ放送されていた番組は飛び飛びでしか見ていなかったので、あんまり覚えていないのだが...)

このエピソードこから、国際的な調査もふまえて、タイトルにあるような論旨が展開されていくのだけど、我が日常の生活を振り返ると、どうかなぁ...。

先日、なんとなくタイトルにひかれて読んだのが、
『疾風怒濤のクラシック案内』宮本文昭(アスキー新書)

著者は世界的に活躍しているオーボエ奏者。でも、2007年3月末で演奏者としての活動を終了し、現在は指揮者/大学教授に転身している。


この本では、カバーの折り返しに「クラシックを楽しむコツは、知識ではなくてファンタジー!」と書かれているとおり、音楽の理論とか楽曲の説明、有名作曲家に関する背景的な情報といったことはほとんど出てこない。あくまで、長年の間オーケストラのメンバーであり、オーボエ奏者として著者の中で培われた経験と感覚による、いってみればかなり偏ったクラシック入門書だ。(ご本人も認めているけど)

偏ってはいるけど、(その分?)曲のイメージや聴き所がつかみやすく書かれていて、読み進むにつれて、CDを聴きたくなってくる。ホント、「聴きたい気にさせる」という点では、類書の中でもダントツではないだろうか。
by t-mkM | 2008-02-07 23:23 | Trackback | Comments(0)


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