2017年 04月 05日 ( 1 )

"アメリカ"という大国の内情

アマゾンによると、いまや「ベストセラー第1位」らしいけど、ちょっと前に図書館に行った際、どうしたわけか新刊コーナーにならび、どなたも手に取っていなかったので借りてみた。

『ヒルビリー エレジー』J.D.ヴァンス/関根光宏・山田文 訳(光文社、2017)

で、読んでみた。
話題の書らしいので、調べると、いろいろと書評などが見つかる。急遽、翻訳出版された模様で、昨年11月12日のNHK「かぶん」ブログでは、「日本では翻訳されてない」として、この本の出版予定などは書かれていないのだ。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/700/256860.html

このブログのなかで、本書のことが次のように紹介されている。

タイトルは「ヒルビリー・エレジー」、日本語で「田舎者の哀歌」という意味で、ヴァンスさんが貧しい暮らしや両親の離婚などを乗り越えて名門大学を卒業し、起業するまでを、失業や貧困にあえぐ地方の白人たちの現状とともに描いています。
回顧録では、大学に合格したヴァンスさんに対し父親が、合格するために「願書で黒人かリベラルのふりをしたのか?」と尋ねるエピソードが紹介されるなど、マイノリティーだけが優遇されているとして、疎外感や不満をつのらせる白人たちの姿が描かれています。


著者は、「ラストベルト」=さびついた工業地帯、とよばれるアパラチア地域の出身。本人の努力はもちろんだけど、いくつかの幸運にも恵まれてイエール大学の法科大学院を終えて弁護士となっている。
このところ、トランプ大統領を支持したのは貧困に陥っている白人労働者の多いこの地域だ、と言われている。ただまあ、その没落ぶりはすでに70年代から始まっているようだ。

読んでいると、なかなかすごい土地ではある。
家族、親族に対しては"身内"としてつねに気をつかい、心配もするけれど、お互いに軋轢も(相当に)あって、うまくいっているわけでは必ずしも無い。一方、学校や近所で自分の親や子供のことをバカにされたと感じたら、速攻で反撃に出る。著者の祖母にいたっては極端だけど、銃を持って仕返し!に行くのである。
とはいえ、その祖母こそが、親族のなかではもっとも教育についての理解があり、著者のいまを作った原動力でもあるところが、なかなか複雑で悩ましいところ。

話しはまったく変わるけど。

その昔、小学校低学年のころ、父親の会社が借り上げていた社宅アパートに住んでいた。それは数戸で一棟になった、コンクリート(ブロックだったか?)ではあるものの、いま思えば簡素な建物だったけど、周囲にも同じようなアパートが何棟とあって、ウチと似たような若い家族が賃貸(だったと思うが)で暮らしていた。
当時、ワタクシの住んでいた向いのアパートに、20歳前後くらいの若い男性数人を面倒見ている一家がいた。特段、彼らは親類でもないようだし、かといってそこで商売しているふうでもなく、ちょっとした下宿屋みたいな感じだったけど、周囲とはハッキリと異なるその暮らしぶりが、子供の目から見ると興味をひいた。でも、母親からは「あまり近づくんじゃない」みたいな注意をされたりもした。
しかし、そう言われればいっそう気になるもので、そこにいた女の子(つまり、若い男性らの面倒を見ていたおばさんの子供)と同学年だったこともあり、その女の子とは付き合いがあった。彼女のウチに遊びに行くと、自然と若い男性らとも話しを交わすことになるわけで、下宿?している部屋に上がらせてもらったりもした。

ワタクシは小学校高学年になる際、引っ越して転校したため、この一家がその後どうしたのかはまったく知るよしも無い。この本を読んで、このエントリを書いていて、なぜだか急に蘇ってきた大昔の記憶にすぎないのだけど、とりあえず書き留めておく。



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by t-mkM | 2017-04-05 01:30 | Trackback | Comments(0)