オールタイム・ベスト10

いつものように、ちょっと前の雑誌から。

『ミステリ・マガジン』3月号が、「創刊601号記念特大号」ということで、オールタイム・ベストの結果を発表している。選出は15年ぶりだとか。
毎年、『ミステリ・マガジン』の3月号は、書評家や評論家などから寄せられた前年の翻訳ミステリ・ベスト3を特集しているため、3月号だけが厚いのだけど、それにしてもこの601号のブ厚さときたら! 2200円っていう値段もスゴイ。

以前はそれなりに翻訳ミステリを読んでいたのだけど、ここ数年、国内もふくめてミステリ全般をあんまり読まなくなった。それでも、『ミステリ・マガジン』の新刊書評にはいちおう目は通している。
「特大号」では長編、短編、作家の3部門でのオールタイム・ベストが発表されているけれど、ここではとりあえず、長編のベスト10だけを以下にメモしておく。
(集計方法などは省略)

1  『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー
2  『火刑法廷』ジョン・ディクスン・カー
3  『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー
4  『さむけ』ロス・マクドナルド
5  『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ
6  『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ
7  『利腕』ディック・フランシス
8  『八百万の死にざま』ローレンス・ブロック
9  『Yの悲劇』エラリー・クイーン
10  『死の接吻』アイラ・レヴィン
10  『赤い収穫』ダシール・ハメット
10  『時の娘』ジョセフィン・テイ

どうですか?
このうち、ワタクシが読んだことがあるのは7冊かな。でも、ここであげられている長編は、もう昔から名作と言われ続けているからなぁ。つまりは「古典は強い」ということか。

それから、ハードボイルドがわりと強いのが目立つ。
1, 4, 7, 8, 10(ハメットね)と5冊も入っている。12冊中の5冊なんだから、相当なもんだと思うけど、どうなのだろうか。

それにしても、『長いお別れ』って、「強い」なぁ...。
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# by t-mkM | 2006-06-01 00:33 | Trackback | Comments(0)

講習会、高田渡

今日は仕事上の必要があって、いつもの職場ではなく、朝から講習会へ出かける。
朝から夕方まで、机に座って講師の話を聞く。こんな「一日中、講義」なんていうのは、ホントにひさしぶり。

たまーに、机に座って人からの話しを長い時間聞くようなことがあるけれど、それはそれでわりと疲れるものである。でも思いかえせば、学生の頃は毎日がそうだったのに、その当時は「疲れる」なんて感じたことはなかったように思う。
あれはやはり、「若さ」のなせるわざだったのだろうか? ただし、講義中に寝たことは数限りなくあるのだけれど...。

夕方に講習会が終わり、近くにある古本屋をのぞく。が、収穫無し。
夜は、出かけていたKと落ち合い、新しくできた立ち飲み屋でビールなどを少し。


そういえば、最近聞いたCDで、こんなのが印象に残った。
高田渡, 高田漣 「27/03/03」
NHK-FMのスタジオ公開番組でのライブ音源。

最初のうちはスタジオ・ライブということで、お客さんに酒も入っていないこともあって、やりにくそうだけど、だんだん調子が出てくるのがよく分かる。(もちろん、酒を飲んでいるわけではない)曲の合間にぼそぼそしゃべる語りも、息子である漣さんとの掛け合いも、絶好調の様子。よくぞCD化してくれました。

リラックスして、酒でも飲みながら聞くのにはうってつけ。
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# by t-mkM | 2006-05-31 23:14 | Trackback | Comments(0)

新着本をアップ

サイトのトップにはまだ告知を出していませんけど、昨日、
新着本をいくつかアップしました。
http://t-furuhon.com/page_new/page_new_1.html
今回はこんな本たち。

『日本ぶらりぶらり』 山下清(式場隆三郎 編)
『服飾デザイン』 杉野芳子
『物語るステッチ【刺繍にみる英国史】』 星合千重子
『有識故実図典』 鈴木敬三
『染色入門』 佐野猛夫
『千代紙 型染紙』 加藤陸朗
『魚の目きき』 伊藤勝太郎
『いつ・どこで・なにを着る?』 石津謙介
『中国の芸と芸人』  岡本文弥


それから、久しく更新できていなかった「Mの本棚、Kの本棚」に、
  特集:音楽関連の書
として何冊か集めてみました。
http://t-furuhon.com/page_MK/hondana_1.html
ロックやジャズを中心にして、ちょっとひとクセあるこんな本を並べています。

『ロックの冒険・スタイル篇』  キーワード事典編集部
『20世紀のムーンライダーズ』 月面探査委員会編
『バルカン音楽ガイド』 関口義人
『声帯から極楽』 巻上公一
『マイルス・デイビス』 田中公一朗
『昭和のバンスキングたち  ジャズ・港・放蕩』 斎藤憐

詳しくはサイトの方をご覧ください。
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# by t-mkM | 2006-05-29 23:47 | Trackback | Comments(1)

雨の古本市にて

昨日は雨の中、近くで行われている古本市があったので、行ってみる。
わりと小さめの古本市だったこともあって、いまひとつ買いたいと
思うような本がなかったけれど、
『環境的公正を求めて』戸田清
『ユリイカ 1976年6月臨時増刊 総特集:シュルレアリスム
巌谷國士 責任編集』
の2冊を購入。
しめて600円。

このところ、古本の界隈ではすでにして有名人である岡崎武志さんの新刊、
『気まぐれ古書店紀行』(工作舎)
を読んでいるのだけど、これがなんだか面白い。
岡崎さんが全国各地の古書店を巡ったルポ風のエッセイだけど、
都市から地方まで、各古書店の本棚を前にしている岡崎さんの姿が目に
浮かぶようで、読んでいると無性に古本屋へ行きたくなる。
いや、ホントに。

途中まで読んで、Kに、「この本、面白いよ」と言ったら、
さっそく横取りされてしまい、後半がお預けなんだけど...。
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# by t-mkM | 2006-05-28 23:07 | Trackback | Comments(0)

今日の読書

出たばかりの 『<ことば>の仕事』仲俣暁生(原書房)を読んだ。


タイトルにもあるように、仕事論としても、また個人を通じて見た80年代論としても、とても興味深く、いろいろなことを考えさせてくれる本だ。しかもとても読みやすい。

この本を手に取るきっかけは、著者である仲俣さんのブログ【海難記】 Wrecked on the Sea での告知。

本書のカバーには、「最前線の批評家、研究者、出版人へのインタビューから探る、言葉の方法論の現在。」とあるけれど、登場する方々は次のようにもっと多彩だ。
小熊英二、山形浩生、佐々木敦、小林弘人、水越伸、斎藤かぐみ、豊崎由美、
恩田陸、堀江敏幸。

(知らない人もいたけれど)どなたも「ことば」を生み出す現場の第一線で活躍されている方々だ。そしてどなたにも、いまのポジションに至るまでにはそれなりの紆余曲折が、もちろんある。その「紆余曲折」の部分を、共通する時代背景とともにていねいに描いているところが、この本の「仕事論」としてユニークなところか。

また、「あとがき」でも触れられていたけど、著者も含めてインタビューされた方々は全て60年代前半の生まれ。つまり、社会に出た直後(または出て行く途中)でバブル経済に遭遇している。そのころをどう過ごし、何を思っていたのか、この本で初めて知ることもいろいろとあった。
上で「個人を通じて見た80年代論」と書いたのは、そういったことを指したつもり。

なお、著者による販促のページがあるので紹介しておこう。
http://www.big.or.jp/~solar/kotobanoshigoto.html

出たばかりなのにせっかちかもしれないけど、10年後、著者による『<ことば>の仕事』の続篇が読めたら面白いかも、と、ふと思った。

おすすめ。
(それから付け加えると、インタビュイーの写真、どれも(意外に?)表情豊かで、なかなかよい)
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# by t-mkM | 2006-05-26 13:58 | Trackback(1) | Comments(0)

雨、雷、韓国のマンション

昨日、東京では日中、天気がよくて暑いほどだったのですが、
夕方からは雷に大雨。周囲が時折、昼間のように明るくなるほどの雷だった。
それにしてもこのところ、よく降りますねぇ。
例年だとこの時期はいい陽気だったと思うのだけど、どうなっているだろう?

そういえばいつだったかKが、
「最近、夏と冬以外の季節がなくなっている」
というようなことを言ってたっけ。
暑い寒いがハッキリしている季節もいいけれど、春とか秋とか、中途半端ではあるけど、そうであるが故に過ごしやすい季節が短くなってしまうのも、イヤだなぁ。
(イヤだって言ってる場合でもないのだが)

話し変わって、「知ったかぶり週報」さん経由で知った、
マンションに図書館
「韓国では、300世帯以上が入居する共同住宅には、読書施設を作らないといけないらしいですってよ!」とのこと。
日本ではこうした話しを聞いたことがないので、法律の定めはないのだろう。韓国の場合、文化政策の一環でもあるだろうけど、日本でも街の本屋さんが減っている現状を考えると、都市部でも参考にする価値アリ、か。
欧米などは、どうなっているのだろう。
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# by t-mkM | 2006-05-25 12:44 | Trackback(1) | Comments(0)

ホリエモンをめぐる論考

遅ればせながら、『中央公論』5月号 をパラパラと。
この号では「「若害」の研究」と題した特集が組まれていて、ガセメールで議員辞職した民主党の永田氏やホリエモンなど、「世間を騒がせた若者」が取り上げられている。

全てを読んではいないけど、興味をひいたのはジャーナリストの武田徹氏による
「堀江貴文が飲み込まれた「不可能性の時代」」という論考。
こういう書き出しで始まる。

 堀江貴文とは過去に一度だけ会ったことがある。二〇〇〇年の初頭、彼はオン・ザ・エッジという会社の代表だった。
 その時の第一印象は......、悪くなかったどころか、好印象すら覚えていたことを正直に告白しておこう。

その一方で、同時期のITベンチャー関係者の印象は最悪だったとか。
なぜなら、連中は「数」しか語らないから、だという。いわく、「インターネット人口はそのままポータルサイトの閲覧者数で、メルマガ読者数である」と。でも、ネット環境にいても実際にそれを使うかは分からないし、メルマガだって読まれもせずに捨てられているかもしれない。それでも「数」が独り歩きし、ネットの「無限の可能性」を謳っていたのがネット・バブルのころ。
そんなITバブル紳士らの中で、ホリエモンは例外だった、というのである。

ちょっと面白いと思ったのは、ホリエモンの東大時代におけるふたつの「記号」。ひとつは「駒場寮」に住んだということと、もう一つは、本郷に進級して彼の選んだ専攻が「宗教学」だったということ。

これらを手がかりとして、論文ではホリエモンが暴走していった背景が分析されるのだけど、もう一つだけ「発見」があったので、それを引用しておこう。

「世の中にカネで買えないものなんて、あるわけがない」。堀江を有名にしたセリフには実はそれに続く言葉があった。「カネで買えないものは差別につながる。血筋、家柄、毛並み。世界で唯一、カネだけが無色透明でフェアな基準ではないか」。
カネで買えないようなものが世の中にあってはならない。それが堀江の真意だった。


さて、これからの裁判、なにがどこまで明らかにされるだろうか。
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# by t-mkM | 2006-05-23 17:54 | Trackback | Comments(2)

古書店主の本

ちょっと前のはなしになるけど、千駄木にある「古書ほうろう」で
こんなイベントがあった。
[四つ手網座談会]
このイベントのことはチラシなどで見ていたけれど、この日録を読むまで、すっかり忘れていた。それにしても、古書店主それぞれの話しは面白そうだ。聞きたかったなぁ。
(ほうろうさんにもご無沙汰してます)

別にこのイベントに触発されたわけではないけれど、このところ古書店主の書いた本を続けて読んだ。




『古本屋 月ノ輪書林』高橋徹(晶文社)

『石神井書林 日録』内堀弘(晶文社)


お二方ともその世界では著名な古書店主。

上で書いた古書ほうろうのイベントでのゲストでもある。
このふたつの古書店に共通しているのは、店舗売りはしておらず、目録販売だけということ。さらにお二人とも、山口昌男、坪内祐三といった方々とは「東京外骨語大学」で、教師と学生という関係でもあるらしい。

どちらの本も、古書店主の喜怒哀楽に満ちた?日々をつづった日録。古書目録作りや市場での入札にかけるエネルギーの大きさがひしひしと伝わって来る。とくに月ノ輪書林さん。目録作りに没頭する姿もさることながら、そのために(いまどき?)何日間も風呂に入らない、という入れ込みようなのだ。

また、有名人から無名の方まで、活字に名をとどめる昔の人々の交流を空想(妄想か)していく箇所なども、「これぞ目録作りの醍醐味!」といった感じに溢れていて、古本に埋もれながらも楽しんでいる姿が見えるようだ。

以下は内堀さんの本から引用。

 最近は古本屋にもビジネスなどと似合わない言葉が被せられてマスコミねたになったりもするが、もともと、この仕事は「目指してなる」という野暮なものでなくて、「気がついたらなっていた」。そういうものだった。達成感とはいわないが、到着感というものはあって、だからここから先に行く人はあまりいない。脱サラ、編集者くずれ、役者くずれというのはあっても「古本屋くずれ」はない。もうこれ以上崩れない場所らしいのだ。
(p124)

達成感、ではなくて到着感。
なんとなく納得?
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# by t-mkM | 2006-05-22 10:57 | Trackback | Comments(0)