竹中英太郎って、知ってます?

先日、近所の本屋で『SFマガジン』6月号を立ち読みしていたら、
書評のページで長山靖生氏が
『美は乱調にあり、生は無頼にあり—幻の画家・竹中英太郎の生涯』備仲臣道(批評社)


という本を取り上げていた。

長山氏によれば、竹中英太郎とは江戸川乱歩や横溝正史らの小説に挿絵を描いた人で、その独自の画風で知られている、とのこと。その一方、労働運動にも深く関わっていたようだ。
なかなか面白そうなので、帰ってさっそく図書館にリクエストしてみる。と、運良くすぐに借りられた。(新刊なんだけど...)

竹中英太郎は1906年、九州は福岡市の生まれ。幼少から優秀で、熊本中学に入るも学資がつづかずに退学。熊本警察署の給仕となるのだけど、そこで刑事たちが押収してくる「不穏文書」、つまりアナーキズムや社会主義に関連した印刷物をこっそり読むうちに、そうした革命運動に共鳴していく。ついには大杉栄の虐殺に報復するべく単身上京するまでに。
上京後の糊口をしのぐため、雑誌に挿絵を書き始めたのをきっかけに、著名作家の挿絵を担当して頭角を表していく。だが、自らの思想や私生活上の苦悩から、29歳で挿絵とは決別する。
そうした中、結婚して生まれた息子が、あの竹中労である。
またこのあたりは、当時の社会状況も平行して書き込まれていて、戦争という大状況に個人がどうやって関わったのか(翻弄されたのか)という点でも、興味深かった。

戦後は再婚相手の実家がある山梨に居を構え、山梨県下で労働組合の結成や地方労働委員として奔走するかたわら、後年、息子である労の著作に挿絵を描くことで画家としても「復活」する。

今年は竹中英太郎の生誕100年。
この本もそうした区切りとして出版されたようだけど、息子である労とともに、再び注目が集まると面白いかも。

参考までに、「竹中英太郎」でググってトップに出てきたサイトを。
竹中英太郎
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# by t-mkM | 2006-05-08 11:18 | Trackback | Comments(0)

さまよいつつ、読書

今日も天気がいい。
でも、読みかけて気になっている本もある。
ならば、
「外で最後まで読んでしまおう」
と考えて、都心の公園に出かける。


まずは腹ごしらえ。
最近オープンした店に入り、サンドイッチとビールを注文。
それらを食べながら、
『告白』町田康(中央公論新社)
を読み進める。

店を出て公園に行くと、何やらサッカー関連のイベントをやっている。そのイベントで設営されているテントの脇にあるベンチにすわり、読書のつづき。

河内音頭の代表的ナンバーであり、史実でもある「河内十人斬り」を題材にとり、その主犯である熊太郎の生涯を描く、というのが『告白』の内容。
昨年末に出たあちこちの「2005年回顧」モノでオススメされていたこともあったので、読んでみた。

「河内十人斬り」というのは知らないし、河内弁と関西弁の違いもよく分からないので、河内弁で交わされる会話部分を読むのは正直、ちょっとウットーシィ。だけども読みすすむにつれて、主人公である熊太郎のダメぶり、とりわけ彼の思弁(脳内ひとり会話)と実際の言動・行動とのズレぶりから、しだいに目が離せなくなる。
もちろん、ページをめくらせるのは町田康による、その独特の文体によるところも大きい。

途中、公園でのイベント関連の放送が流れてくるけれど、やがてそれも気にならなくなる。とはいえ、670ページを超える分量なので、そうそうすぐには終わらない。

風が出てきてちょっと寒くなってきたので、ふたたび店(さっきとは違う)に入り、ビールを飲みつつ、さらに読む。
熊太郎が子分?である弥五郎とともに「十人斬り」を行う後半以降は、けっこうな迫力で、そのまま一気に最後まで読了。

最後まで読んで、この「告白」というタイトルが腑に落ちる。

ちょっとくせのある文体だけど(関西の方ならとっつきにくさは少ないか?)、「小説を読む」という時間が十二分に堪能できる小説。
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# by t-mkM | 2006-05-05 00:34 | Trackback(1) | Comments(2)

一箱古本市で売れた本(一部)

いまさらナンですが、一箱古本市でお買い上げいただいた本について、少しだけ思うことなどを。

『さよならの城』 寺山修司
古本市が始まって早々と売れていきましたね。さすが寺山修司、人気があるのかなぁ、と思ったりしました。
でも確か、買っていかれた方は、若い男性だったような。

『入門BCLブック』 山田耕嗣 監修
かつて、海外の短波放送を聴くことがブームだったことがあったんです。知ってます?(BCLとは「Broadcasting Listener」の略、つまり「放送を聴く人」の意)ワタクシもその流行に乗ったひとりでして、BBCやVOA(Voice of America)をはじめ、海外からの日本語放送を夜な夜な聴いてました。クラスにも同じような友人が何人もいましたっけ。
この本は、その当時、BCLの第一人者であった山田耕嗣氏による入門書で、毎年改訂版が出ていた様子。
買ってくださった方とお話をしようと思ったのだけど、なんとなく話しかけそびれてしまい...。でも、ありがとうございました。

『現代思想 臨時増刊 総特集=1920年代の光と影』
ふれあい館で行われた店主どうしの交換会で売れた本。
なかなか密度の濃い、読みでのある本ですね。買ってくださった方が、この本をずいぶんと長い間、ぱらぱらと熱心に眺めておられたのが印象的でした。
最近の『現代思想』は、この本のように大判での臨時増刊というのをほとんど見かけないように思いますが、どうなのでしょう。

『もうひとつの旅  山下清 画文集』 式場俊三 監修
これも店主どうしの交換会で売れた本。
手に取った方が、「どうしようかなぁ」と迷っておられたので、「勉強しますよ」と声をかけて値引きしたのでした。でもちょっと、勢い余って値引きをしすぎたかな。

『吉行淳之介の本』 吉行淳之介
KKベストセラーズのハードカバー。
このところ60年代を振り返るのが流行っているようです。吉行淳之介氏の本を目にする機会が多いように感じるのも、そうしたことが影響しているのでしょうか。

『完全写真図解 初夜新婚の性生活』 松戸尚
なんともすごいタイトルですが、いまとなってはユーモラスにさえ映る「写真図解」が笑えます。(図解の写真は人形なんです)
お買い上げいただいた方に、そっと、「買う気になったわけ」を聞いてみたいです。


これ以外は、後日につづく(かもしれません)。
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# by t-mkM | 2006-05-04 22:55 | Trackback | Comments(5)

連休初日

いい天気なので、Kといっしょに不忍池へ。予想はしていたけれど、すごい人。池の上も貸しボートで混雑。
不忍池のほとりでビールを飲みつつ、いなり寿司などで腹を満たす。丸井の方面を見ると、テントが出ていて骨董市をやっているようなので、のぞきに行く。
100円で古本を出している店があり、表紙の絵(鉄人28号)に惹かれて光文社文庫の『「少年」傑作選 第2巻』を買う。

地下鉄に乗り、渋谷へ。
目当ては東急本店でやっている古本市「60's 青春の街角」。

行くまではてっきり古本市だと思っていたけど、よくよくデパートでチラシを見てみると、昔の映画グッズやマーティンのフォーク・ギターなども展示されている催し物なのであった。その中に、古本のコーナーもある、というわけ。5つほどの古書店が出していたけれど、本というよりは古い雑誌がメインか。「週間朝日」や「LIFE」、「宝石」などなど。三島由紀夫の直筆原稿も。そうそう、ウチのサイトに出している「不思議な雑誌」も出ていた。
いろいろと気になる雑誌や本があったのだけど、ちょっと敷居が高く、なかなか手が出せない。でも、見て回るだけでも面白かった。

近くのカフェで休んでいたら、もう夜もいい時間。
若い人で混み合う渋谷は、なんだか人の流れに乗れず(いつもそうなんだけど)、馴染みの店もないので、地下鉄に乗って上野へ。めざすは「アレンモク」という韓国料理屋。
生ビールでノドを潤わせつつ、鍋を食べる。ここの鍋は大きいので、二人だとこの鍋だけでもけっこうな量。これにご飯を追加しておじやにすると、もう腹いっぱいになる。で、今晩もそのとおりに。
このお店の鍋はけっこう辛いし、ニンニクもたっぷり入っているけど、(だからこそ)ウマイ。

たまにはカライものを、たらふく食べるのもいいなぁ。
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# by t-mkM | 2006-05-03 00:21 | Trackback | Comments(0)

一箱古本市

昨日は一箱古本市の当日。
数日前から天候が心配されていたけれど、今回は助っ人として準備の段階からポスターやチラシを配ってきたこともあり、なんとか予定とおりの開催となって、ホッとする。

まずは集合場所の往来堂書店へ。
いちおう、ワタクシたちは専従スタッフということで、前半の3時間、店主のみなさんに指示を出してまとめていくのがお役目。
今回、店主としてご一緒する、こきん亭さん、しょたれ文庫さん、ムト屋さんをお連れして、ワタクシたちの大家さんである、根津のクラフト芳房さんへ移動。

Kには最初の店番をやってもらうことにして、店主の方々への指示など専従スタッフの役目はワタクシが引き受ける。
店番の順番、箱の置き場所を決めて、11時から販売開始。
古本Tの箱の様子や、売れ行き具合は、すでにKがブログに写真入りで書いているので、詳しくはそちらをご覧ください。http://tkazuzu.exblog.jp/d2006-04-29

というのも、スタンプラリーのスタンプを押すことが専従のお役目のひとつなのだけど、これがけっこう忙しい。なかなか自分の箱を観察している余裕がなかったのだ。
古本市が目当てのお客さんだけでなく、スタンプラリーが目的という方もけっこういらっしゃったようで、他の店主さんにもお手伝いしていただきながら、ひっきりなしにスタンプを押していた。
でも、スタンプを押しているとだんだんと気分が「ハイ」になっていくようで、そのうちにスタンプを押すことそれ自体が面白くなってくるのが不思議。
あ、そういえば途中で、
「スタンプを押しているところを写真に撮らせてください」
と言われ、「手タレ」をやったっけ。

途中で雨が降り出したけど、クラフト芳房さんのお気遣いで店先にある可動式のテント屋根を出していただき、そのまま濡れることもなく販売をつづける。

14時に後半の専従スタッフの方と交代し、Kと他のスポットを見て回る。
たいていのスポットでは、なんとか屋根のある場所を確保して販売を継続していたけど、中には箱にシートをかけて、販売を中止しているところも。

結局、15時に中止が決定。
ワタクシたちのスポットは屋根もあったし、できればこのまま続けていたかったけれど、屋根なしスポットのことも考えると、仕方のない判断だったと思う。

箱を片づけて、大家さんにご挨拶をして、ひとまず撤収。
不忍通りのふれあい館に荷物を持っていく。

17時半から、打ち上げイベントの会場でもある、ふれあい館地下のホールで店主どうしの交換会。
古本市の前半が専従で、しかも雨が降ってきたこともあり、他のスポットを見て回れなかったので、この企画はじつにうれしかった。しかも、けっこう盛況で、いろいろな箱を見られたのは収穫。それに、その場では思いのほかウチの本も売れた。

打ち上げイベントでは各賞とともに、売上げ冊数・金額のベスト5が発表。
店主100箱のトータルでは、昨年を上回る2000冊、100万円以上の売上げを記録したとのこと。
できれば打ち上げイベントはビールを片手に参加したかったなぁ。
(来年は、ぜひとも)

21時にイベントが終了し、ふれあい館を後にして、つぎは実行委員・助っ人のメンバーでの打ち上げ会場へ。
けっこう疲れてはいたけれど、ビールがうまい。それに実行委員の方々とも、一箱古本市のことだけでなく様々な話しができたのが、とても面白かった。

あらためて、古本屋っていいな、本を売るって楽しいな、と実感できた一日でした。
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# by t-mkM | 2006-04-30 22:42 | Trackback | Comments(0)

一箱古本市、いよいよ明日


昨日、原節子の関連本が2冊売れた。
http://t-furuhon.com/page_movie/page_movie_1.html

相方のKによると、売れた原節子の本は、
「ちょーど今度の一箱古本市に出そうかなぁ、なんて考えてたとこなのよ」
なんだそうで。
「やっぱり、念ずるっていうか、その本に思いをめぐらすことで、売れることもあるのねー」
とのこと。

ま、その根拠はアヤシイけれども、商売をする身としては、大事にしていきたい感覚だとは思いますね。

さてと、明日の一箱古本市に向けて、持っていく本に気を送りますか。
○○ーーっ?!。


昨晩は一箱古本市の実行委員の方々とともに、専従スタッフも交えたミーティングがあったので、ワタクシも古本Tとして参加した。専従スタッフとは、一箱の本を持ち寄って販売する各スポット(計15箇所)で、店番をする店主とともにそのスポットでのさまざまなお世話をするのが役目。

夜とはいえ平日の比較的早い時間帯(19時から)だったにも関わらず、たくさんの専従スタッフの方が集まった。みなさんの熱意が伝わってくる。

配布された各種マニュアルをもとに、実行委員の方から時系列にそって丁寧に説明がなされる。その合間にも、私たちスタッフからはいろいろな質問が出されるのだけど、河上さんの的確な仕切りによって、ポンポンと疑問点は解消していく。

明日に向けて、だんだんとテンションが上がってきますね。
あとは明日、晴れるのを祈るばかり。

もう一度、持っていく本とともに、明日は晴れるように、空に向かっても念を送っときましょうか。
○□*@っー#ー。
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# by t-mkM | 2006-04-28 17:53 | Trackback | Comments(0)

イタイ目


昨晩、仕事とは直接関係はないのだけど、職場でのとある会合に出て、イタイ目にあった。
(べつに殴られたとか蹴られたワケではないです、念のため)

会合の途中、その集まりを取り仕切るべき立場にいる方が、ワタクシの意見をきっかけにして、いきなり、「これではやってられん!」と言い放って席を立ってしまったのだ。

いやー、もうビックリ。
焦りました。
どうしてそこまでキレてしまうのか、正直よく分からない。

ただ、こちらの言い方もあまり説得的ではなかったなぁー、という自覚はあったので、自分の発言は決して批判ではない、といったことなどを伝えて謝った。
トホホ。

事情にくわしい関係者によれば、その方、このところ他の会議などでもほかの参加者と意見がぶつかることが多く、かなりストレスが溜まっているようだったとのこと。つまり、「アンタ(ワタクシのこと)の発言はキレるきっかけに過ぎず、アンタに責任はないよ」というわけ。
ま、そういってもらえると気分はラクにはなる。

が、そうは言っても、引き金をひいたことは明らかだし。
なので、この事態を収拾するべく、関係者を訪ねて回り、なんとか修復のメドをつける。

長い一日だった。
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# by t-mkM | 2006-04-26 18:48 | Trackback | Comments(0)

一箱古本市が迫ってきた


なんだかんだで4月も最後の週。今度の土曜日はいよいよ一箱古本市だ。
エントリーしてからこれまで、Kとともに「どういう本を出そうか」と、あーでもないこーでもないと話しをしてはいたものの、具体的には手をつけてこなかった。
(どうも、手間のかかることは後回しになりやすい...)

で、ようやく?昨晩、書庫(というか倉庫と化している狭い部屋)から本をひっぱり出し、リビングにだーっと並べて、持っていく本を検討しはじめる。
もちろん、
「あのころキミも若かった!おとうさんとおかあさんが読んだ本。」
というテーマに沿って。

候補に挙がっているのは、
古い『宝島』などの60年代、70年代の雑誌、ピーナッツ・ブックスといった私たちにとっては懐かしい本たち、などなど。
まだ、古本市当日に持っていく本を確定したわけではないけど、サイトに出している本が中心になる予定。

なお値段ですが、サイトでの販売価格より、多少は勉強いたします。
ぜひ、お立ち寄りください。
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# by t-mkM | 2006-04-24 19:28 | Trackback | Comments(0)