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(通常の日記はこのエントリの下から始まります)

◆ 鎌倉「ヒグラシ文庫」での常設棚 ← 2018/5/20で古本販売は終了しました。

 2011年5月末より7年間、どうもありがとうございました。
 (お店は変わらず、営業中。古本T以外の本の販売も継続中)


# by t-mkM | 2019-12-31 23:59 | Trackback | Comments(0)

『治天ノ君』を観た

劇団チョコレートケーキ、という劇団がある。
その名前から連想されるようなイメージとはまったく異なる舞台を昨年に観た(『遺産』)こともあり、今回、劇団から送られてきたDMを見て、申し込んだ。

第31回公演『治天ノ君』 東京公演(10月3日から14日)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト

観たのは10月13日(日)15時の回。
前日は台風19号の影響で公演中止となったようで、この日も交通機関が止まったことを考慮して、開始時刻を1時間繰り下げての公演となった。これらの連絡はメールで来ていたけど、なかなか細やかな対応だったなぁ、と感じた。

以下は劇団のサイトにある公演内容から。

激動の明治・昭和に挟まれた『大正時代』。
そこに君臨していた男の記憶は現代からは既に遠い。
暗君であったと語られる悲劇の帝王、大正天皇嘉仁。
しかし、その僅かな足跡は、
人間らしい苦悩と喜びの交じり合った生涯が確かにそこにあったことを物語る。
明治天皇の唯一の皇子でありながら、家族的な愛情に恵まれなかった少年時代。
父との軋轢を乗り越え、自我を確立した皇太子時代。
そして帝王としてあまりに寂しいその引退とその死。
今や語られることのない、忘れられた天皇のその人生、その愛とは?

初演は2013年で、今回で3度目の公演。
評価の高い舞台のようで、いろいろ受賞しているようだし、3度目の再演というのもなかなか。

大正天皇というと、明治と昭和にはさまれて存在感薄いし、ワタクシもほとんど何も知らない。たしか、国会で文書を筒のようにまいて、議員たちを覗き見た? といったような奇行のことは、親から聞いてうっすら記憶にある程度。

舞台セットは、天皇が座る菊の紋章がついた椅子(何というのか?)に赤い絨毯が客席中途まで続く、いたってシンプルなもの。開始まで小さく重い低音が響いていた。

威厳ある明治天皇、皇太子時代の大正天皇の活動や皇后との結婚、天皇になって以降は第1次世界大戦の勃発や原敬の暗殺など、政情が不安定ななか、自身の病気のため摂政として皇太子である昭和天皇に皇位を譲り…

男ばかりの出演者のなか、全編を通じた語り手であり、また唯一の女性である大正天皇の皇后役である松本さんの存在が印象的で、独特の抑揚ある話し方が耳に残る。
前回見た『遺産』でも感じたけど、セットがシンプルなだけに、時間軸の行き来を細かく照明を使って行うところや、役者どおしが左右に距離を空けて立ち、舞台を目一杯使ってセリフを言ったりするなど、あくまでも舞台を縦横に行き来しながら、役者の演技とセリフで見せる。そういう舞台だという主張がにじみ出る。

明治天皇が死後も登場して大正天皇に意見するなど、やや図式的な感じがしたものの、大正天皇を演じた主役の西尾さんはじめ、侍従役の岡本さんとか、劇団のメンバーの熱演はもとより、皇太子時代の昭和天皇を演じた方(名前失念)が、最後にはホンモノの昭和天皇ヒロヒトらしく見えてくきて、舞台としての一体感が強く感じられた。

この先、劇団がどこへ進んでいくのか、注目して行きたい。


# by t-mkM | 2019-10-17 01:50 | Trackback | Comments(0)

封切りに観た『ジョーカー』

ということで、封切り日に観てきた映画『ジョーカー』。
ロードショー映画を初日に観たなんて、もしかしたら初めてかもしれない。

観たのはTOHOシネマズ日比谷、15時からの回。
プレミアムシートのある一番大きな劇場だったけど、前評判の大きさなのか、9割がた座席は埋まっていたのでは。
いちおう、Movie Walker に載っている作品情報を引いておく。

DCコミックス「バットマン」シリーズの悪役として知られるジョーカーの誕生秘話。コメディアンを夢見る青年が、狂気に満ちた悪のカリスマへと変貌していく様を、原作にはないオリジナルストーリーで描きだす。主演は『ザ・マスター』のホアキン・フェニックス、監督・脚本は「ハングオーバー!」シリーズのトッド・フィリップス。第76回ベネチア国際映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞した。

上の説明、まあ間違ってはいないし、公式サイトにも似たような説明があったりするんだけど、観終わってみれば、「狂気に満ちた悪のカリスマへ」なんてストーリーではないんだけどなぁ。
それにしても、「面白い!」と言うのがはばかられるくらい、かなりインパクトのある映画であることは間違いない。

ストーリーも、幾重にも入りくんでいるし、皮肉が効いて逆説的だし、中盤以降はどうしたって香港でのデモや暴動のニュース映像が頭をよぎる。まあ、香港での現実とリンクしたのは偶然だとしても、日本でだって、主人公アーサーのような「暴発」がこれまでにも繰り返されてきたわけだし、なんて思っていると、ラストでさらに大きなひねりが用意されている。

このラストにより、振り返って思うに、ちょっと「えっファンタジー?」と言う言葉が浮かんでくる。いやいやいや、そんなことはないんだけど、これが「オチ」ということなのか? とはいえ、エロもグロも出てこないけど、R15指定はさもありなん、と思わせるに十分な内容で、ある意味、いやーな映画ではある。

そんなこんなのインパクトが、もう一度観ても感じられるか、試してみるか。



# by t-mkM | 2019-10-08 01:25 | Trackback | Comments(0)

書くも書いたり…『全ロック史』

ハードカバーではないものの、ハッキリ言って凶器となりうる厚さと重量である。
500ページを超える分量、索引だけで30ページ以上を使っており、登場するバンドは2000近くにのぼるという。まさに労作である。

『全ロック史』西崎憲(人文書院、2019)

これ、英語のタイトルが「A History of Rock Music」とあるので、「ロック全史」でもいいと思うんだけど、『全ロック史』としたところに、著者の矜持を感じる。
そして、版元は音楽関係ではなく、人文書院というところにも、この本の特徴は表れていて、楽曲の歌詞を分析するんだけど、その記述がちょっと面白い。著者自身、翻訳家で小説も書く一方、作曲もしてミュージシャンでもあるらしい。

オリジナルの歌詞からの翻訳と、それに対する分析というか批評があるのは、巻末の出典を見ると190曲に及ぶ。とにかく、歌詞というかロックバンドが書く、歌う「言葉」にこだわっている本でもある。最終章、ローリング・ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」の歌詞を引っ張ってきたエンディングには、「ほう」と声が出るくらい、お見事。

それにしても、知らないバンドばっかりだよなぁ。出てくるバンドの半分以上、いや2/3は聞いたことがないか。またジャンル分けというのか、細かく枝分かれ?していくサブジャンルを丁寧に跡付けて行く様も、(ずいぶんと詳細で飛ばし読み気味になってしまうんだけど)通史としての読み応えがある。

ロックの世界はじゅうぶんに広い。



# by t-mkM | 2019-09-27 01:09 | Trackback | Comments(0)

読んでみた『泥の銃弾』

上下巻の文庫本。現在の東京が舞台のサスペンスのようで、書評家の大森望氏が、どこかの雑誌で推薦していたこともあり、手に取った。

『泥の銃弾(上・下)』吉上亮(新潮文庫、2019)

4月の新刊で文庫オリジナル。
読もうと思った理由のひとつには、『PSYCHO-PASS GENESIS』シリーズを書いた作家の新作、ということもある。
以下はアマゾンの内容紹介から。上が上巻で、下が下巻のもの。

都知事、狙撃──。新国立競技場で起きた事件は日本を震撼させた。誰が。なぜ。狂騒の中、日就新聞社会部の天宮理宇はチームを率いて真実を追うが、捜査は唐突に打ち切られる。「犯人はクルド人難民」その警察発表は国策として難民を受け入れた日本において、瞬く間に浸透した。結論ありきの手法に違和感を覚えた天宮は社を去るが……。この国の未来を予見する圧倒的エンターテインメント!

「都知事狙撃事件の真犯人、その正体は……」新聞社を辞め、フリ ーの記者となった天宮理宇の告発は、ウェブを介して拡散し、世論が動き始める。だが、それは隠された秘密の一端に過ぎなかった。事件の鍵を握る男、アル・ブラク。シリアからの難民。メディアを牛耳る新聞王。すべての過去が繋がったとき、新国立競技場に再び銃声が鳴り響く。この国の“危機” を描く、怒濤の長篇サスペンス!


下巻の方が厚くて、値段もちょっと高い。
ま、それはいいんだけど、新聞記者からフリーのジャーナリストとなった天宮を中心に、上巻まではしだいにサスペンス度が上がっていくし、下巻に至って途中でさしはさまれる当事者の目線によるシリアでの戦争(というかほとんど内戦)の描写には、息がつまるようなシーンの連続ではある。

また、難民をめぐる日本政府の対応や、それを2020東京オリンピックと絡めて小説にするところなど、目のつけどころとしてありそうでなかった視点だし、舞台が現在(から2020年)の東京なので、リアル感も増している。

…なんだけど、下巻も後半になってくると、アクションシーンの迫真さが増すほどには、主要人物の心情や思考がいろいろ展開していくさまに、いささかついていけないものを感じてくる(のは私だけだろうか?)。

ふと、『本の雑誌』2019年8月号の「特集:2019年 上半期ベスト1」をパラパラみていたら、この『泥の銃弾』もランクインしているのだけど、この本を推薦した人の弁で、「後半になると構成が洗練されていないというか…」とのコメントがあって、まあそうかもねぇ、とも感じた。

著者の熱量が十二分に感じられるものの、それがうまく読み手には伝わってこないもどかしさが、最後まで残るんだよなぁ。それがちょっと残念ではある。

蛇足だけど、たとえば難民をめぐる問題に関してEUでの教訓などから今後の日本ではどうすべきか? などを考えるのに、最後の参考文献リストは重宝するかも。


# by t-mkM | 2019-09-13 01:32 | Trackback | Comments(0)

東京JAZZに行ってきた

ずいぶん前にチケット取ったと思っていたけど、もうその時期である。

東京JAZZ Festival。毎年、NHK-FMで中継されているし、それなりに気にはなっているイベントではあるんだけど、これまで、なんとなく行ったことがなかった。
それで、今年は行ってみようということになり、チケットのいいお値段ぶりにやや引きつつも、出演者のラインナップから、9月1日(日)昼の部を購入した。
出演者は以下の通り。

12:30~
チャールス・ロイド "Kindred Spirits"
featuring ジュリアン・ラージ(g)、ジェラルド・クレイトン(p)、 ルーベン・ロジャース(b) and エリック・ハーランド(ds)

30分の休憩を挟んで、

14:20~
カマシ・ワシントン

会場のNHKホール、初めて入ったけど、昔ながらのコンサートホールって感じでそれなりに年季がはいってるけど、奥ではアルコールも飲めるし、そこそこゆったりしていていいのでは。ただ休憩の際、男性のトイレがやたら混んでいたけど。
お客さんの入りはほぼほぼ満席の感じ。それにしても、人気があるんだなぁ、東京JAZZ。

東京JAZZのツイッターをのぞくと、当日のセットリストが出ていたので、とりあえずメモしておく。

チャールス・ロイド "Kindred Spirits"
1. Dream Weaver
2. Defiant
3. Lift Every Voice And Sing
4. Hyperion With Higgins
5. Requiem For Kiyoshi Koyama San
6. Booker's Garden

カマシ・ワシントン
1. Show Us The Way
2. Malcolm's Theme
3. The Psalmnist
4. Truth
5. The Space Travelers Lullaby
6. Fist of Fury

カマシ・ワシントンは、同行するメンバーがどこにも載っていないなぁ、とは思っていたんだけど、公式サイトを見たらメンバーが掲載されていたので、こちらもメモしておく。
リッキー・ワシントン(fl, s.sax)、ライアン・ポーター(tb)、BIGYUKI(key)、ロナルド・ブルーナー Jr.(ds)、トニー・オースティン(ds)、マイルス・モズレー(b)、パトリス・クイン(vo)

前半のチャールス・ロイドの新しいバンド、そもそも寡黙な人なのか、メンバー紹介もせずに、淡々と演奏が進む。81歳だそうだけど、若手のメンバーを従えた演奏はけっこうアグレッシブ。テナーサックスのほか、フルートも吹いていた。
途中でバラード調の曲があると思ったら、セットリストによれば日本のジャズ評論家・故児山紀芳さんへの追悼曲だとか。とくに個人的な交流があったんだろうか。

一方、後半のカマシ・ワシントンは総勢8人のバンド。とりわけドラムが2セットというのは迫力があり、音の圧が違う。それに負けないくらいの多彩な演奏を繰りひろげていたマイルス・モズレーのベースが印象的だった。このモズレーがバンドをまとめているよう。
チャールス・ロイドとは違い、カマシ・ワシントンは所々でメンバーを紹介し、短いながらも音楽への?思いを語っていた。(よくわからなかったけど)

お客さんの多くはこちら、カマシ・ワシントンが目当てだったようで(我々もそうだけど)、最後はスタンディングで応えていた。それくらい、NHKホールというオオバコにふさわしい熱量あるライブだった。

以下は参考にメモ。

デイリースポーツ/Yahoo! ニュースから
「東京ジャズ閉幕 C・ロイド、C・コリアの両巨匠が健在ぶりをみせつける」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190901-00000151-dal-ent


# by t-mkM | 2019-09-05 01:01 | Trackback | Comments(0)

開高健のエッセイ集

先日、近所の図書館に行ったら、開高健のベスト・エッセイ第2弾が出ていたので、借りて読んだ。

『葡萄酒色の夜明け (続)開高健ベスト・エッセイ』小玉武編(ちくま文庫・2019)

第2弾が出るだけあって、パラパラ読んでいても面白い。
で、ノン・フィクションに関して持論を語っているところが目に留まったので、以下にメモ。

…ノートやマイクにたよれば正確な報告を書くことができるけれど、竜を描いて眼を入れないことになりがちである。そこで私としては、竜の体はいささか精密ではないかもしれないけれど私が眼だと思うものについては全力を投入することにしたのである。事実として、数字や日付や地名や人名などの背後にひそむものさえとらえられるなら、前面にあるものはあとでひとりでに追っかけてきてくれるものなのである。そして、書くにあたってもっとも必要なことは偶然性であり、細部である。女の髪の匂いであれ、水田のほとりの農民の死体であれ、右の眼は非情、左の眼は多感、固定観念をいっさい排して、現実に接しなければならない。固定観念の灯の下で書くことはさほどむつかしいことではないけれど、シャッターをひらきっぱなしのカメラ・アイを持つこと、見たものを見たままに写しとっていくことは至難中の至難と知っておかねばならない。それにまた、”事実”を知るということはじつに容易ならぬことではあるけれど、事実を知っただけでは現実はけっして紙のなかにたちどまってはくれないのだということもわきまえておかねばならない。何事かがそれにプラスされてはじめて現実は後姿なり前姿なりをちらと紙のなかに見せてくれる。こう並記してみると、ノン・フィクションを書くのはフィクションを書くのとほとんどおなじ心の操作を経るものであるとわかる。究極的にはそれは心による取捨選択の結果生まれるものなのであるし、文字を媒介にするしかないものなのであるから、ノン・フィクションはあくまでもノン・フィクションであると知っておきながら同時にそれはフィクションの別の一つの形式なのだとも知っておかねばなるまい。そこをわきまえたのと、わきまえてないのとでは、結果においてたいへんな相違がでてくる。
(p123-124)


# by t-mkM | 2019-09-03 01:45 | Trackback | Comments(0)

「ミュージック・マガジン」9月号

いつもとは違い、いま出ている雑誌から、ということで。

『ミュージック・マガジン』2019年9月号
特集:マイルス・デイヴィス
特集:創刊50周年記念ランキング⑧ 50年のジャズ・アルバム・ベスト100

マイルスのほうは、1985年録音の未発表アルバム『ラバーバンド』がリリースされるのに合わせた80年代マイルスを振り返る、というもの。

で、もう一つの特集が気になって久しぶりに購入したんだけど、創刊50周年ということで、対象となるのは1969年~2018年のアルバム。
発売中の雑誌なので、ランキングは本誌を見てもらうとして、栄えある?1位だけを紹介しておくと、オーネット・コールマン『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』。

以下、「へぇ、こんなアルバムがこのランキング!?」といった感じで、知らないアルバムも散見され、なかなか面白かった。なかには「このアルバムがジャズの範疇で扱われるているんだ」という”発見”もあったりして。
ランキング結果に関し、評論家の村井さんと柳樂さんが対談しているんだけど、冒頭での柳樂さんの発言、「中村とうようが降臨してる感じ」には笑った。
まあでも、そんな感じではある。

ランキングに参加した音楽ライター個々のベスト30選も(字が小さくて読みずらいけど)載っているので、日頃、参考にしているライターの方が選出したアルバムと、今回のランキング結果とを見比べてみるのも面白そう。


# by t-mkM | 2019-08-28 01:48 | Trackback | Comments(0)