坪内祐三氏が『本の雑誌』や『en-Taxi』で絶賛しているのを読んで、手に取った。
『富士さんとわたし 手紙を読む』山田稔(編集工房ノア) 全527ページでちょっと大きめの単行本(A5版というのかな)サイズ、本体3500円のどっしりとした存在感のある本。 <はじめに>で著者の山田氏はこう書いている。
じつは、富士正晴という作家についてはほとんど知らないし、本書の手紙のやりとりで主な題材ともなっている同人誌『VIKING』も、この本で知ったくらいだ。また山田稔もエッセイなどは2,3読んだものの、小説についてはこれまで読んだことがない。 そういうワタクシのような、文学の"どシロート"であっても、十分たのしめて、読みごたえのある本だった。 60年安保のころの慌ただしい感じ、70年前後の大学紛争の影、高橋和巳のこと、同人誌をめぐるあれやこれや......。著者がいうように、手紙といってもホントに「おしゃべり電話代り」なのだけど、そこに挟まれる私的注釈がとても滋味あふれていて、一気に読むのがもったいない気がしてくる、そんな感じ。 それから、富士、山田はもちろん、交流のある人々みんながよく酒を飲んでいるのが印象的だった。 これを機会に、富士正晴と山田稔の小説にも手を伸ばそうと思う。 また、毎日新聞に掲載された書評があったので、メモしておく。
by t-mkM
| 2009-03-13 00:48
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