このところ、少しづつページをめくっていたのだが、面白くなってきて一気に最後まで読んだ。
『おかしな時代 ワンダーランドと黒テントへの日々』津野海太郎(本の雑誌社) 『本の雑誌』に連載されていた「サブカルチャー創世期」をまとめた本。昨年に出たころ、けっこう話題になっていたけど、ようやく手に取った。 津野氏といえば晶文社の名物編集者、というなんとなくな思いこみがあった。けれど、この本を読んで思わず「へぇ」と言ってしまうようなことがいろいろあり、しかも大量に出てくる固有名詞とそのつながりが興味深い。ご本人も語っていることだけど、津野氏の存在と行動そのものが、編集者的だ。 晶文社創立から雑誌『ワンダーランド(のちに宝島)』へと至る部分はもちろん、『新日本文学』編集部で垣間見る共産党をめぐる人間関係や、演劇(劇団)との関わり、それも雑誌や本づくりとの二足わらじの状況などなど。ひらがなの多い独特の文体を読んでいると、60年代から70年代初めにかけての息づかいが伝わっているかのよう。それも、これまであまり表だって語られることの少なかったエリアだと思う。 以下、この間の関心もあって、目に止まった箇所をちょっと引用。 ちなみに、冒頭の「それから」というのは、アングラ演劇始動が1962年である、という著者の指摘を指す。
横井さんの帰国と浅間山荘事件って、2週間しか離れていなかったんだなぁ。
by t-mkM
| 2009-06-24 00:11
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