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山本周五郎のあらたな短編集

こんな文庫オリジナルの短編集が出ていたとは知らなかった。

『新編傑作選4 しづやしづ』山本周五郎(小学館文庫)

あらたに全4巻のシリーズでまとめられた短編で、この『しづやしづ』は昨年11月の刊行。すべての編者は竹添敦子という方。ググってみると、山本周五郎研究を専門にされている大学の先生である。
以下はアマゾンから引いた、『しづやしづ』の内容紹介の一部。

時代小説という形でしか描くことのできない、人間の生き様がある。多彩な作風を持つ周五郎が「下町もの」の中で描いたのは、まさに裏長屋、岡場所、居酒屋などという場所でしか息づくことのできない、江戸町民の切ない姿だった。

久しぶりに山本周五郎なんて読んだけど、これがよかったのである、じつに。


50年代から晩年にかけての、全部で8篇が収録されている。表題作の「しづやしづ」もしみじみといいけれど、武士という身分を捨てて町人として生きようともがく若者を描いた「へちまの木」や、「あすなろう」といった短篇も印象に残った。
どの短篇も、言ってみればどうかしても不器用にしか生きられない人たちに焦点をあてた作品。これまで、周五郎というともっぱら『さぶ』『赤ひげ診療譚』といった長編小説ばかりだったけれど、短篇も読まないといかんな、とつくづく感じたのだった。


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by t-mkM | 2011-03-01 00:59 | Trackback | Comments(0)


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