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あっという間の週末

この週末、土曜日はK(かんから)と「一箱本送り隊」 http://honokuri.exblog.jp/ の手伝いで昼ごろに谷中へ。隊長の丹治さんほか何人かの方々といっしょに、本を置くスペースとなる場所の養生をした。ほどよく手入れされた日本家屋の床に、養生シートを敷きつめていく。

小一時間ほどで終わり、腹ごしらえをしてから不忍通りふれあい館へ。「一箱古本市」助っ人集会に先行してやっているチラシ折りを手伝う。簡単に会場設営したあと、15時過ぎから助っ人集会。今回の助っ人マニュアルが説明されたあと、本日のメインだという「一箱」当日の専従スタッフ(=各スポットごとに複数名が配置される助っ人のこと)の配置決め。意外だったのは、通しで、つまり終日専従スタッフをされる方が多いこと。ワタクシたちはというと、当日は客としても各スポットを回りたいので、ふたりで早番と遅番のそれぞれを担当することにした。

助っ人集会の後は、近所の居酒屋で行われた飲み会にも参加。
実行委員やベテラン助っ人の方々からくり出されるもろもろの話し(ぶり)に、ちょっと圧倒されながらビールの杯を重ねたのだった。

翌日曜は5時(!)に起きて、早朝から父親の実家へと向かう。
昨年末、亡くなった父親の遺骨をおさめるべく、自治体が分譲していた墓地を購入して墓を作った。ところが、以前に亡くなった母親の遺骨は、父親の実家の墓にいわば「居候」している状態。なので、両親をいっしょにしてあげようと、もろもろの手続きをようやく終えて、この日の「改葬」となった。

いちばん問題だろうと思われたのは、父親の実家の墓を開けたとき、どの骨壺が我が母親のものか分かるのか? ということ。母親の葬儀はずいぶん昔のことで、すでに父親もいない。納骨のことを弟に聞いても「覚えてない」というし、こちらも記憶はあやふや。この日集まってくれたおじさん・おばさんに聞いても「よく覚えてない」というし…。

でも実際に開けてみれば、ほぼ推測がつくように骨壺が並んでいた。骨壺によっては、お坊さんが書いた小さなお札のようなものが入っており、これらの「情報」もつきあわせて母親の骨壺は無事に判明。居合わせた親戚も、ホッとしていた。


この日、行きの電車で読んでいたのは、2009年に出た
『ぼくたちは大人になる』佐川光晴(双葉社)。



『小説推理』での連載をまとめたもの。だからといって推理小説なわけではない。でも、掲載された雑誌の違いなのか、これまで読んできた著者の小説とはちょっと毛色が異なる感じを受けた。
描かれるのは、主人王で語り手である達大(たつひろ)が高校三年生になってから一年間に起こる、さまざまな出来事。主人公が抱える鬱屈や両親との関係、受験など、前に読んだ『おれのおばさん』と作りがよく似ている。もちろん、中学生と高校生の違いはあるけど、こちらは高校生である分、いまの社会が直面している”現実”にも視線が向けられている。

ところで、ぼくたちは大人になる、というこのタイトル。主人公の成長物語、という内容からきているのだろうけど、それだけじゃない気がする。読み終わって本を閉じたとき、このタイトル、じつは読み手にこそ向けられているのはないか、と思えたのだけど。

ちなみに、アマゾンの感想を見ていたら著者がweb上で連載記事を書いているのを見つけたので、以下にクリップ。
「結婚のかたち」http://jbpress.ismedia.jp/category/marriage
by t-mkM | 2011-04-18 01:05 | Trackback | Comments(0)


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