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さすらい姉妹「谷間の百合」ツアー 初日の逗子公演

一昨日の日曜日、先月の「かまくらブックカーニバル」以来となる、ひさしぶりの鎌倉。

今回、これが目的ではないんだけど、せっかく鎌倉まで出張るのだからと、ヒグラシ文庫の棚へ追加補充し、ついでに本の精算もやった。
ブックカーニバルでは昨年以上の好成績だったこともあってか、この間の売れ行きもなかなか好調。このまま8月も”夏枯れ”とならずに、この調子が続いてくれるといいなぁ。

この日、ここまで足をのばしたのは、鎌倉ではなく「逗子ヒグラシ文庫」にて行われる、水族館劇場・さすらい姉妹「谷間の百合」公演を観るため。

 さすらい姉妹2013年火山列島南下ツアー
 谷間の百合 -NAKED-
 http://www.suizokukangekijou.com/sasurai/

このツアー初日の公演が逗子というわけ。
この「逗子ヒグラシ文庫」、わりと広いとはいえフツーに民家なので、夕方になってお客さんが来はじめるとすぐにいっぱいとなり、会場は移動するのもままならない感じ。そうしたお客さんを前に、いつものごとく桃山さんによる誘導整理のアナウンス(笑)。

17時半、「港の人」Sさんによる司会で始まり、すぐに「谷間の百合」公演。
本公演と同じように、民家である「逗子ヒグラシ文庫」軒先で演じられるプロローグから始まる。バックに黒幕を垂らした板の間を舞台とし、続く畳の居間のふすまを取っ払って客席にして、居間からつづく南側に面した廊下は役者も通る花道。さらには照明装置を鴨居にセットしたり、居間の床の間から手持ちで照らしたりと、限られたスペースと間取りのなかでも工夫があちこちに。
「釜ヶ崎の路上初演から8年」とサイトにある、伝説のストリッパー・一条さゆりの物語。数年前、早稲田大学の演劇博物前で行われた公演も観たけど、そのときと比べると、あれからの一条さゆりとこれからの一条さゆりによるやりとりの比重が増し、よりストレートになったか。今回のタイトルに「-NAKED-」と付けられているのは、そんな意味もこめられているんだろうな。
芝居のなか、ヒグラシ文庫の店主Nさんが「借金抱えて逃げる社長」役で出ていた。一条さゆりのヒモでチンピラ役に、(ヘルメットかぶった)頭を何度もはたかれていたのには笑えた。

つづいて、箱庭コラァル・山本紗由さんによる朗読劇「赤い蠟燭と人魚」。
いつものバイオリンではなく、鈴の音と赤いろうそくの灯りを使った朗読劇。この話、オリジナルだそうだけど、直接には語られないものの、「3.11」とその後の影響を色濃く感じさせる、不可思議な物語。

引きつづき第二部で、前半は作家・姜信子(きょう のぶこ)さんによる講演、後半は桃山さんとの対談。
姜さんの講演は、語り(かたり)と言った方がふさわしいような内容。立ったままに始まった話しは、当初、どこへ行くのか見えないままに、気がつけば不可視の箇所をのぞき込まされたような、そんな感じ。
それを受けてつづく対談は、盛り上がってきたかなぁ、と思えたときに、時間の都合で打ち切りとなったのは残念。別の機会があれば、二人の対談をまた聞いてみたい。

全体の終了は8時半。
狭くてちょっと暑かったけど、なかなか密度の濃いイベントだった。
この後は恒例の打ち上げ。
スタッフの方々が用意した各種のお酒と大量の肴がつぎつぎと出てきて、たちまちに宴会状態へ。私たちは一足先に帰ったけど、ほとんどの方が残っていたところからすると、地元のお客さんが多かったのかな。

この火山列島南下ツアー、今週25日には清水市で2日目があり、九州・博多や京都などを経由し、ラストは8月3日大阪・釜ヶ崎での公演へとつづいていく。
by t-mkM | 2013-07-23 00:34 | Trackback | Comments(0)


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