年明けのエントリで「すごい!」と書いたきりだったので、ここらあたりで『インターステラー』について。
ホントに良かった(スゴかった)ので、109シネマズ木場のIMAX上映を、1週間おいて2回観た。こんなことは、たぶん初めて。 いちおう、解説やストーリーを載せておく。以下は「YAHOO! Japan 映画」からの引用。 http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%BC/349221/story/
まずは、ネット上にすである感想から2つほど。 ○「インターステラー」55点 足るを知らない大国人(by <超映画批評>) http://movie.maeda-y.com/movie/01927.htm わりと気が合う「超映画批評」さんだけど、この映画に関してはちょっと感想がズレた。 ○『インターステラー』視覚化せよ!ブレーンワールド(by <k.onoderaの映画批評>) http://k-onodera.net/?p=1584 こちら、映画のハードSFな側面についても真正面から説明していて、映画史的な位置づけまで全面展開している感想、というか解説ですね。参考になります。 こんな感じで、すでにしてあちこちで様々な感想やら読み解きが書かれている。なんで、いまさらこの辺境ブログで何を書けば? という気がするけど、思うところをつらつらと書いてみる。 ○やっぱりキューブッリックはスゴかった! 浅田彰が、「これは『2001年宇宙の旅』のアップデート版だ!」みたいなことを書いていた。 http://realkyoto.jp/blog/interstellar_christopher-nolan/ 彼のみならず、ノーラン監督自身もキューブリックの『2001年宇宙の旅』へのオマージュを隠していないし、観る前にネットで見つけた『インターステラー』の感想に、「『2001年宇宙の旅』で何が言いたかったのか、この映画を観てようやく分かった」というようなツイートも見かけていたので、1回目を観た後に『2001年宇宙の旅』をDVDで見直してみた。(我ながら好きだよなぁ、とも思うが) 見直してみて、たしかに浅田氏の言うこともさもありなん、と思えた。とりわけ、『2001年宇宙の旅』後半、光にあふれる時空のトンネルを抜けてからの展開は、セリフもほぼ無いし、哲学的で深淵な感じがしてよく分からないんだけど、『インターステラー』を観た後では手がかりが増えた感じで、さまざまに考えられる(ような気がする)。 ○「愛の力」は第5の力か? 映画の中盤、主人公とともに宇宙船に乗り込んだアン・ハサウェイ扮するアメリアが、自らの感情を吐露しながら「愛の力」について語る場面がある。1回目に観た時にはやや空疎で上滑りな感じがしたのだが、結末が分かった上で観ると、また印象が異なって聞こえる。 じつは物理学では、いまだくすぶっている問題として「第5の力」というのがある。 自然界には「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」(それぞれの説明は別に調べてください)という4つの力があるのだが、これに加えて「5番目の力」があるのでは? というもの。現時点でこの「5番目の力」というのがどうなっているのか、よく知らないのだが、この映画で言われる「愛」は、明らかにこの「5番目の力」を意識していると思える。 ○クレジットに出てこない有名俳優が、わりと重要なシーンに出てくる このシーンのある部分は蛇足、とする意見もあるようだけど、そうは思わないな。 (観てないと何がなにやら不明でしょうが)この場面、この有名俳優をサプライズ・ゲスト?として当てたのは、その役どころがおおいに愚かな行動を取るからこそ、その説得力を増すために当てられたサプライズの有名俳優、なんでしょうね。なかなかニクい演出ではないかと。 ○SF映画や宇宙ものを観ている人ほど楽しめる ノーラン監督が影響を受けた映画としていくつか挙げた中に、「コンタクト」がある。2回目を観た後、こちらもDVDを借りて観たのだが、振り返ってみれば話の骨格が『インターステラー』と似ている。たぶん、映画のストーリーは「コンタクト」を下敷きにした、少なくも大いに参考にしたといえるのではないか。 そんな感じで、先行するSF映画や宇宙もののジャンルのオマージュといえる部分が(ワタクシにはよく分からないけど)あちこちにあるようである。なので、後々も繰り返し楽しめること請け合い。 と、いくつか書いたけど、まったくもって言葉足らずにしかなってないので、この映画のスバラシさを百分の一も伝えられていない。「ハードSFを忠実に具現化した」とか「父親と娘の、愛と絆の物語」という側面ももちろんあるわけですが、そうしたワクには収まりきらないスケールと懐の大きさが、この映画の魅力なんではないかと思うわけです。 とくにメッセージ性がある映画ではないけれど、観終わってみて、「上を向こう」「前に進もう」といったようなことがじんわりと、でも確実に伝わってきた。 まあ、ようするに、「とにもかくにも映画館でぜひ観て!」というのが結論ではあります。
by t-mkM
| 2015-01-14 01:22
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