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”キース・ジャレットに影響を与えたピアニスト” ジョン・コーツ

最近聴いて印象に残ったCDから。
またもキースなんだけど。

『ハンブルグ ’72』キース・ジャレット(ユニバーサル・ミュージック、2014)

ピアニスト、キース・ジャレット率いるトリオによる未発表ライヴ録音盤。
1972年にドイツ・ハンブルクにて行った現地ラジオ局コンサートを、42年ぶりにオリジナル・テープよりミックスダウン。この時期キースは、通称アメリカン・カルテットで活動しており、チャーリー・ヘイデンとポール・モチアンとのトリオでの貴重な録音。

ECMによる発掘モノ。
どうして42年も”お蔵入り”になっていたのか分からないけど、聴きどころはあれこれある。このCDでキースは、ピアノのほかフルート、パーカッション、ソプラノ・サックスまで演奏していて、これには驚かされた。生粋のピアニストかと思っていたら、違うんですね。

で、上のCDとはまったく関係なく手に取ったCDだけど、意外な関連があったし、ピアノ・ソロもなかなか良かったものが以下。

『アローン・アンド・ライブ(紙ジャケ仕様)』ジョン・コーツ Jr.(MUZAK、2014)

いやー、まったく知らなかったピアニスト。
以下は、ライナーノーツに書かれていた文章から一部を引用。

 キース・ジャレットが1994年にECMレコーズから発表した『At The Dear
Head Inn』は、彼が1992年にアメリカのペンシルベニアにあるジャス・クラブ「ディア・ヘッド・イン」で行ったステージを録音した作品である。ベースにはゲイリー・ピーコック、ドラムには60年代にトリオを組み、70年代にはアメリカン・クァルテットの一員として共に活動を行った朋友ポール・モチアンが参加している。(中略)高校を卒業してまもなく電気メーカーに勤めていたキースは、ここで本格的なジャズ・ミュージシャンとしてのスタートを切った。(中略)当時キースは、ピアニストではなく、ほとんどがドラマー、たまにサックス・プレイヤーとして出演していたという。今ではピアニストとして世界中から賞賛を浴びる彼が、それでもなお、ふたたびこのステージに立ったのは、やはり深い思い入れがあるからだと言わざるを得ない。そんな若かりし頃のキースが、この場所で多くのセッションを重ね、じっくりとその姿を眺めていたピアニストがいる。それがジョン・コーツである。

ライナーを書いている山本勇樹氏もふれているけど、たしかにジョン・コーツのピアノを聞いていると、キース・ジャレットの演奏を思わせるようなフレーズやタッチが各所で聞こえる。けれども、まあ別物である(当たり前だが)。
しかし、こんなつながりもあるんだということを知ったので、書き留めたしだい。
”たくましいビル・エヴァンス”とでも形容できるかのような油絵(?)のジャケットも、なかなか。
by t-mkM | 2016-04-15 01:09 | Trackback | Comments(0)


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