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『すべての四月のために』@東京芸術劇場 を観てきた

ひょんなことから知り合いよりチケットを譲っていただいたので、21日(火)、池袋の東京芸術劇場で舞台を観てきた。
以下、webサイト「PARCO STAGE」からの記事を貼り付け。

『すべての四月のために』
公演日程:2017年11月11日 (土) ~2017年11月29日 (水)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
作・演出:鄭義信
出演:森田剛
   臼田あさ美 西田尚美 村川絵梨 伊藤沙莉
   小柳友 稲葉友 津村知与支 牧野莉佳 斉藤マッチュ 浦川祥哉
   近藤公園 中村靖日 山本亨 / 麻実れい

特設サイト→http://www.parco-play.com/web/play/subeteno/

これもPARCO STAGEから、舞台の説明。

……
 「焼肉ドラゴン」「パーマ屋スミレ」「たとえば野に咲く花のように」で、1950年代から1970年前後までの、在日コリアンの家族を描いてきた鄭義信が今回舞台にするのは、第二次世界大戦下の朝鮮半島近くに浮かぶ島。理髪店を営む朝鮮人一家(夫婦と四姉妹とその夫)と、彼女らを取り巻く、朝鮮人、日本人軍人たちの物語です。

戦時下という困窮した日常の中で、愛し、憎み、泣き、笑い、未来への道筋を何とか手繰り寄せようと愚かしくもがく人々の姿を描き、彼らの情けなくも愛おしい姿を通して、人間存在の本質をあぶり出し、時に重く、鋭く、人生、民族、時代を照射します。


森田剛という人を、俳優として認識したのは、相方が勧めてきた映画『ヒメアノ〜ル』。
(じつを言えば、この映画を観るまでは役者をやっていることはおろか、ジャニーズのV6のメンバーでアイドル、という"属性"すら知らなかった)
この映画での、連続殺人鬼である主人公を演じた森田剛の存在感は圧倒的で、強く印象に残った。そんなことがあったので、「今回の舞台チケットがあるよ」と知り合いから連絡をもらったとき、相方ともども手を挙げたのだった。

舞台は18時半の開演。
途中で15分の休憩をはさみ、前後半とも80分あり、ほぼ3時間なので終演は21時半。これほど長い舞台は、水族館劇場以来か。

どうしても森田剛にスポットが当たるのか、彼が主役という位置づけで舞台の紹介がなされているけど、この舞台での森田剛の配役は、あくまでも、理髪店の朝鮮人一家とその家族をとりまく人々を織りなす群像劇のなかの一人。存在感はあるものの、主役というほどではない(ただまあ、冒頭とラストで印象的な役柄を演じるけど)。どちらかというと、理髪店の四姉妹を演じる女優陣のほうがメインだろう。

母親、四姉妹の女優陣の演技が印象的だったけど、なかでも四女が繰り返し歌う、「春は梅・桃・桜で一杯~」という、酒飲みのお囃子とでもいった歌が耳に残る。そして、(上演中の舞台なので詳しく書けないけど)この四女が取る行動とその結末についても、戦時下の特殊事情があるだろうとはいえ、意外な設定で「へぇ」と感じた。

全体として暗いトーンになりがちな設定ではあるものの、随所で吉本新喜劇のような笑いやズッコケも入ってきて、笑わせる。冒頭、夫婦のやりとりはやや冗長に感じられたけど、家族をとりまく喜悲こもごものエピソードをじっくりと積み重ねてたどり着くラストでは、登場人物たちの感情が迫るものがある。

戦時中の、それも半島そばにある島の朝鮮人一家をめぐる話という内容なんだけど、観客はというと、若い人から中(高)年までの女性ばっかり。まあ、中高年男性もちらほらは見かけたけど、この舞台でこの客層には、ちょっと驚き。ジャニーズ事務所の集客力のすごさ、かなぁ。



by t-mkM | 2017-11-28 01:31 | Trackback | Comments(0)


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