半月ぶりのエントリ。
時間が過ぎるのはあっという間だなぁ。 年度末あたりに職場の引っ越しを控えており、このところ移転に関連する契約など事務手続きがあれやこれやと降ってきて、それらに追われている。 自宅の引っ越しもたいへんだけど、職場となると、(あたりまえだが)自分だけでは完結しないし、それでなくても違った面倒がドッサリあって、ストレスではある。ま、でも、それらもようやく山を過ぎつつある。 そんな状況でも本は読むので、このところ連続して読んだ本について、ちょっと書いておく。 『PSYCHO-PASS GENESIS 1~4』吉上亮 原作=サイコパス製作委員会 (ハヤカワ文庫JA、2015~2017) 以前、finalventさんという、かつてのアルファ・ブロガー(ってすでに死語か)の方が、「PSYCHO-PASSが面白い」というツイートをしていたのを見て、「へぇ」と思い、アタマの隅に引っかかっていたので、ためしに図書館で借りだして読んでみた。 とはいえ、『PSYCHO-PASS サイコパス』はもともとTVドラマのシリーズもので、そちらは見ていない。そして『PSYCHO-PASS GENESIS』は、GENESIS=創世記ともあるように、TVシリーズの前日譚らしい。 そんな、予備知識がかなり不足しているなかで読んでも、はたして面白いと思えるのか?(じゃ、TVシリーズのDVDを借りて見ればいいじゃん、なわけだけど、面倒だし…。その点、本はお手軽だ)、やや不安ではあったけど、これがけっこう面白かった。 『PSYCHO-PASS サイコパス』について、説明していると長くなるので、ストーリー設定やあらすじなどはウィキペディアを見てもらうのが手っ取り早いかも。 https://ja.wikipedia.org/wiki/PSYCHO-PASS 『PSYCHO-PASS GENESIS』は、本編の舞台である2112年から遡り、21世紀半ばから末という設定。 前半の1、2巻が、本編シリーズにも登場する執行官・征陸智己(まさおか ともみ)が主人公で、『PSYCHO-PASS サイコパス』の主要な概念でもある「犯罪係数」に焦点をあてた、言ってみれば家族や絆の物語。 そして後半の3、4巻は、人間の精神状態や性格を数値化する「精神色相走査 サイマティック・スキャン」技術と、それをもとに社会を統治しようとする大規模演算処理ユニット「シビュラシステム」の正体をめぐり、主人公である厚生省の捜査官・真守滄(まかみ そう)と、テロ組織から切り捨てられた少女・衣彩茉莉(いざや まつり)とが絡みあいながら、展開していく。 後半に入ると、ストーリーの盛り上げ(煽りというか)が、ちょっと過剰でしつこい感じがしてくるものの、『PSYCHO-PASS サイコパス』を見ていないワタクシにも、その世界観というのか、倫理観の変遷とでもいったありようが、いまどきの現実世界ともリンクしているように思えて、いろいろな意味で興味深かった。 省庁間の覇権をめぐる争い、「PSYCHO-PASS サイコパス」=精神色相を安定に保つことを最優先とする社会、シビュラシステムによる「理想」の監視社会、等々。これらは今でも形こそ異なるものの、じつはすでに現実になりつつあるのではないか? 日々の様々なニュースに接していると、そんな感じを抱くのだが、どうだろう。このシリーズで、ストレスにさらされた人間の「色相が濁る」という表現がよく出てくるのだけど、これなど、「メンタルヘルスが悪化する」とほとんど同じだし。 そして、物語全体を通じてバイオレンスの度合いがじつに色濃いところなども、今どきではある。 本腰?をすえて、TVドラマのシリーズを見てみたい。
by t-mkM
| 2017-12-14 01:04
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