静岡でSPAC『マハーバーラタ』を観る

静岡県舞台芸術センター(Shizuoka Performing Arts Center : SPAC)という団体がある。
最近になって知ったのだけど、すでに20年以上の活動歴があるそうだ。で、このSPACが、このところ毎年「ふじのくに せかい演劇祭」という催しを行っており、その内容はタイトルどおり、海外からのゲストを招いての演劇から、SPAC自身の舞台、そして静岡市内各所において無料で楽しめる若手によるパフォーマンスなどが一体となった舞台芸術祭、なんである。

詳しくはこちらを。
http://festival-shizuoka.jp/

それで、この連休中、静岡まで出かけていって、「ふじのくに せかい演劇祭」の一環で、SPACが行う公演を観てきた。

『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
公演日時:5月3日~6日 18:50開演
会場:駿府城公園 特設会場
http://festival-shizuoka.jp/program/mahabharata-malacharitam/

静岡駅で下りたのは15年ぶりくらいか。もはや、あんまり憶えてないけど、駿府城公園に行くのはこれが初めて。
この日は市中のメインの通りでサンバカーニバルなんぞもやっていたようで(演劇祭とは関係なさそう)、そのカーニバル自体を観たわけではないけれど、けっこうな人が出ていた。
またこの日、終始、風が強かったのには閉口したけど、まずまずの天気で、野外演劇を観る身としてはひと安心。

早めに静岡に着いたので、SPACの公演に併せて駿府城公園で行われていた、総監督・宮城聡も出演するトーク・イベントにも耳を傾けた。司会は中井美穂だった。

陽も落ちる頃、空が夕焼けで赤く染まってきれいな中、チケットの番号順に整列し、会場へ入場。
座席の周りをぐるっと360度囲む円形の舞台、前方に楽器がおかれ、ここで生演奏されるんだな、と分かる。ただ、分かるのはそのくらい。果たしてどういう舞台になるのか(すでに何度も上演されている演目らしいけど)。

上のサイトにある作品の解説に、

王家の熾烈な争いを軸とした古代インドの国民的大叙事詩のなかで、最も美しいロマンスといわれる挿話『ナラ王物語』。争いの絶えない俗界に咲く花のような物語を、宮城聰は「平安時代に伝わっていたら・・・」という大胆な着想のもと、絢爛豪華な舞台絵巻に昇華させる。

とあるように、はじまりで平安絵巻を思わせるような白装束の女性たちがつぎつぎと登場する。と、後方からの照明により、彼女たちの陰が、舞台正面の木々に浮かび上がり、移り変わっていく。日没を待つワケはこれだったか、と思うほどに見事な演出。特設舞台が一気に幻想的な雰囲気に包まれる。

先のトーク・イベントでも触れられていたけど、役を演じる者と、セリフを話す者とが分かれている。冒頭、登場した神々と、その神々のセリフを話す女性が別々にあることに(しかも、やや説明的なセリフが連続するもので)ちょっと乗れなかったけど、それも物語が進んでいくなか、不思議と違和感なく感じられるようになる。
強引に言ってしまえば、生演奏付き絢爛豪華な舞台付き講談、といった感じなんだけど、楽器を演奏する者たちの立ち居振る舞いも含め、演出が行き届いていることが随所で感じられる。

ときおり吹く強い風のためもあって、なかなか寒いなかでの観劇とはなったものの、野外ならではのスケールでの演出を堪能した2時間だった。

反面、ちょっと整い過ぎというか、キレイにまとまり過ぎな感じも。せっかくの野外舞台なんだし、も少しハメを外した演出があってもいいのかな、とも思った。(この辺は自治体からの助成を受けているからなのか?)
また、マイクを使わないことや生演奏など、"生音"にこだわっているようだけど、強風の野外ではときおり聞こえにくいこともあり、いっそPAを通した「爆音バージョン」公演というのもあるのでは。

ま、何だかんだ言いながらも、静岡まで観にきた甲斐があったと十分に思わせる舞台だった。


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by t-mkM | 2018-05-11 01:08 | Trackback | Comments(0)
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