公開50周年を記念して、『2001年宇宙の旅』70mmフィルムのニュープリント版が京橋・国立映画アーカイブで特別上映される、ということを知ったのはいつだったか?
「こりゃ観に行かねば」と思ってはいたものの、気がつけば、計6日間の上映期間の前売券はすでに売り切れており、当日券しか残っていなかった。(なんでも、各回200枚の前売券は、発売開始数分で売り切れたとか! まあ、それじゃ到底買えなかったろうな、と思ったしだい) 特別上映の後半が始まる10月11日、ちょうど外で仕事があり、しかも11時過ぎには終わるので、「午後は休暇とって京橋に行ってみっか」と算段し、当日、行ってみた。 が、(前もってネットで得た情報から、かなりの確率で無理だろうとは思っていたけど)11時半過ぎに会場に着いてみると、「本日の当日券は完売した」との掲示が。平日は開館が11時で、オープンと同時に整理券を配るとアナウンスされていたのだが。念のため窓口の人に聞いてみると、すでに9時の時点で250人(!)ほどの行列で、開館を前倒しで10時半にオープンして整理券を配布したとか。1日2回の上映で、各回100人分の当日券だから、まあ11時半に来ているようでは「お話にならない」わけだ。いやまぁ、スゴイ盛況ぶり。 あとでネットを見ると、当日の整理券を求めて全国からファンが来ていたそうだから、さもありなん。 しかたがないので、このあたりで昼飯を、とウロウロしたあげく、「松若」というトンカツ屋へ。 2階へ上がる階段に行列していたので、並んでいると、程なくしてタイミングよく「一人様なら1階へ」ということでカウンターだけの1階に案内される(2階はテーブル席)。かつコロ定食という、トンカツとコロッケの組み合わせランチ1100円を注文。 長らくやっている店のようで、サラリーマン御用達といった感じだけど、豚汁にあっさりした漬物もついて、カツもボリューム十分でウマかった。 https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13024987/ どうでもいいけど、隣でトンカツ・オムレツのセットランチを食べていた40代とおぼしきサラリーマン、付け合わせのキャベツにも漬物にも全く手をつけず、「ごちそうさま」と帰って行く。もったいない…。浅漬けの漬物、うまいのにねぇ。 それで。 この前の日曜、10月21日(じゅってんにーいち、だ)、『2001年宇宙の旅』のIMAX劇場上映が2週間限定で行われているので、これはぜひに! ということで、ミッドタウン日比谷の東宝シネマへ観に行った。 観たのは午前10時半からの回。座席は半分ほど埋まっており、いつもと比べて中高年男性の多さが目立つか(まさしく自分もそうなのだが)。 公開当時の上映スタイルを再現する、というコンセプトのようで、上映前に明かりを落として音楽が鳴っているところから、途中のインターミッション(休憩)15分、そして終映後にも音楽が流れるところまで、忠実に再現されているそうだ。 で、IMAX。以前にDVDで観たのとは全く違う! さすがに昔に作られたので、画面上下までは広がっておらず、IMAXサイズ全面の映像ではないものの、映像そのものは思いのほかクリアできれい。そして、冒頭の「ツァラトゥストラはかく語りき」「美しく青きドナウ」やリゲティの音楽が、重低音まで大音響できちんと鳴り響くのは、この映画のかなり重要な要素であるとつくづく感じる。自宅でDVDをチマチマ観ているだけでは分からないよなぁ。 また、後半で時空を超える移動?をする場面が出てくるけど、そのシーンでの色彩の豊かさやイメージの奔流には圧倒される。 それから、他のいろいろな映画で見た数々のシーンが、この『2001年宇宙の旅』へのオマージュ(あるいはパクリ)なんだというのが、よく分かった。今回の70mmニュープリント版を監修したというクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』はじめ、『オデッセイ』(原作は「火星の人」)『ゼロ・グラビティ』から『スター・ウォーズ』まで、「どっかで見たことあるシーンだよな」と思う箇所があちこちに。もちろん、製作年を考えれば『2001年宇宙の旅』がそれらシーンの原点であるわけで、後続への影響力の大きさを改めて感じさせられた。 まあ、すでにいろんなところでさまざまな方々によって語られてきた映画なので、内容についてはここでその蛇足を付け足すようなことはしない。でも、今回のIMAX上映を観て思ったのは、ホントに最先端で前衛、ブッとんだ作品は、50年経っても最先端だし前衛であり続けるんだな、ということ。議論になるラストの場面も、改めて見ると安易な読み解きを退けるかのような描き方で、それでいて多様な解釈にも耐えうるように撮られている、ように感じた。 映画史に屹立する1本であり、映画館という劇場空間に身を置いてこそ、その内容をほんとうに十全に堪能できる1本、でもある。機会があればぜひIMAXで。
by t-mkM
| 2018-10-24 01:15
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