読む本を探して、近所の図書館をウロウロしていて目に止まったので、借り出して読んで見た。
『なぜ日本だけが成長できないのか』森永卓郎(角川新書、2018) 多くの著書をものにしている森永氏だけど、テレビやラジオ出演で醸しだすキャラが、いまひとつ(失礼)な感じでもあるためか、「結局、キワモノ的なコメンテーター?」という印象を持っている人は私だけではないはず(と思う)。 でも、大学の先生だし、各所できちんとした現状分析をしてもいるのだが。 とはいえ、森永氏の著作はほとんど読んだことがなく、じつはこれが初めてかもしれない。 以下は本書についてのアマゾン内容紹介から。 このままでは、日本は経済後進国に陥る! まず、プロローグで示されるのは、日本が世界のGDPに占める割合は90年代半ばをピークに、今やその3分の1に、という事実。これはほぼ1970年の水準である。約50年前に戻ってしまった、というわけ。 この理由はいくつもあるのだが、その背景には、こうした事態に陥った”戦犯”である勢力が作りあげた神話を日本国民が信じ込まされて来たからだ、というのが森永氏の主張。 その神話とは以下の3つ。 1.「日本は米国の軍事力、とりわけ核兵器の傘の下にいることで国の安全が守られており、駐留米軍を失ったら、国民の命や財産、国土を守ることができない」 で、これ以後、上記の3つが単なる「神話」でしかない説明がなされていくのだが、集大成的な内容のためか、以前の著作からの文章も活用されている。なので、すでに森永氏の見解に触れている方は、後半の7章、8章だけでもよさそう。ワタクシは、日本における経済や政治の現状、そしてこの20年あまりにわたる推移をどう理解するのかという点で、けっこう参考になったし、なるほどと感じられた。 なお、最後のエピローグでの1985年に起きた日航ジャンボ機墜落事故をめぐる「推理」は、「トンデモ」といった評も目にするけど、これまでの時間の経過を振り返ると、じつはそんなことだったりするのかも、と思わされた。まあ、もはや「証明」されることはないのかもしれないけど。
by t-mkM
| 2019-11-07 01:32
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