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「麦の穂をゆらす風」を見た

Kが、先日見たという映画について、「ギネス・ビールを飲むなら見た方がいい」としきりに言う。まあせっかく(?)なので、水曜日の千円均一を利用してその映画、「麦の穂をゆらす風」を見てきた。
 →公式サイト

ケン・ローチ監督の最新作。
なんでもパンフレットによれば、カンヌ映画祭では他の話題作を押さえてパルムドール賞を受賞したとか。
それにしても、Kも日記で感想を書いていたけれど、簡単には感想を語れないような作品。悲劇ではあるけれど、ラスト・シーンまで見終わると、悲しみを通り越してしばらくはボーゼンとエンドロール見つめることしかできない感じ。(だと思ったのだが、終わったとたんに席を立つ客もけっこういたりした)

映画の舞台は1920年のアイルランド。
英国軍隊による理不尽な暴力を目の当たりにした主人公は、仲間とともに英国からの独立をめざす革命運動に身を投じていく。敵による拷問、ゲリラ戦、仲間の裏切り、粛清...。やがて英国との講和条約が結ばれるが、その講和条約に対する評価は分裂し、内部抗争(内戦)へと至ってしまう...。

ここで現代史をふり返れば、当時の世界は第一次世界大戦(1914-1918)の直後で、1917年のロシア革命によって社会主義国家ができたばかり。
おそらく、当時は「革命」や「独立」と言った言葉が、現代の私たちには想像できないほどのリアリティをもって語られていたはず。

また映画を見ながら頭をよぎったのは、(ありきたりかもしれないけど)連合赤軍事件のこと。それと、当時のアイルランドにおいて革命運動から内戦へと推移していく経緯は、いまイラクで起こっている事態と似ているようにも思える。

Kは日記でカンヌ映画祭での言葉を引いていたけど、この映画それ自体が、英国人であるケン・ローチ監督による(自省も込めた?)現実世界へのコミットメントなのだろう。

見終わってあとは、近くのパブへ。
飲んだのは、もちろんギネス。
by t-mkM | 2006-12-07 23:13 | Trackback | Comments(0)


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