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いくつかの雑誌から

先日、他の本を購入するついでに、何年ぶりかで朝日新聞社の出している月刊誌『論座』を買いました。「グッとくる左翼」という文字の他に、「それでも本屋が好き!」という特集があることも購入の動機です。


冒頭の「貧乏人大反乱集団」に関する雨宮さんの記事と、彼らが高円寺に出しているという店、「素人の乱」のルポがおもしろい。クリスマスの六本木ヒルズ前にくりだして、いきなり鍋を囲もうとしたとか、「家賃をタダにしろ一揆」を決行するだとか、笑えます。

そういえば10年ほど前でしたか、「ダメ連」というのがありました。
ただ、彼らは「ダメ連」とはちょっと異なるように思います。たとえば、積極的に外へ出て行動するところ、でしょうか。マスコミも、もっと彼らのような「貧乏からの反乱」(?)を取り上げてほしいものです。

また『論座』1月号に掲載されたという、31歳フリーターによる投稿記事(実家を出たいが10万円強の収入ではままならず、我々ポストバブル世代に押しつけられた現代社会の歪みをひっくり返すには、戦争こそが希望の光だ...)に対する、識者のコメントにも興味を引かれました。識者のほとんどがこのフリーターの方への「説教」で終わっているなか、鶴見俊輔さんがこの若者の立場に寄りそおうとしているのが印象的でした。鶴見さんがいちばんの「年寄り」なのですが。

それから、みずす書房が出している小冊子で『月刊みすず』1・2月号も、遅ればせながら入手。
お目当ては、毎年やっている「読書アンケート」という企画なんですが、これがなかなか面白い。昨年のブックガイドとしても参考になりますが、アンケートを読んでいるだけでも十分に楽しめます。
315円でこれだけ読みごたえのある雑誌は、なかなかお目にかかれないですね。

もうひとつは、新潮社のPR冊子『波』3月号
表紙となっている中島義道センセイの研究室の扉とおぼしき写真がおかしい。
それと、穂村弘と柳瀬尚紀の対談を読んでいて、柳瀬氏の「ぶっとび」ぐあいに驚きました。いくつか抜き書きしてみると、

「ぼくには基本的に「日常」というものがないからな。(中略)だいたい、電気釜が普及してから世の中は悪くなったんです。電気釜はわが家にありません。」
「ぼくには青春なんて意識はあまりなかったし、若者なんて馬鹿者と一字違いぐらいなものと思っていました。」
「革命は毎日考えていますよ。体力も資金もないからやらないだけのこと。」
「資金と体力の問題で、革命家になれそうにないから、せめて言葉で革命を起こそう、と考えたわけで。」

最後の「言葉で革命」という部分、穂村さんも同類なのだとか。
by t-mkM | 2007-03-08 22:45 | Trackback | Comments(0)


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