このところ、光文社の古典新訳文庫をはじめ、昔の海外作品の新訳がちょっとしたブームです。
そういった背景もあるのか、むかし、少年向けの読み物シリーズなどでよく名前を見たことのあるジュール・ヴェルヌの新訳が、岩波文庫から刊行されたので、読んでみました。 『海底二万里(上、下)』ジュール・ヴェルヌ/朝比奈美知子訳(岩波文庫) といっても、ジュール・ヴェルヌの作品をまともに読むのは、これが初めて。 (たしか、小学生向け程度の『地底旅行』だったかのをぱらぱらと見たくらいで終わっていたと思う) 海洋冒険小説で、SFのはしりとも言えるこの『海底二万里』については、すでにいくつかの翻訳があります。 で、ネットで調べていると、こんなサイトが。 Jules Verne Page ちょっと更新が止まっているようですが、情報量は膨大です。しかも、昨年にはその名も日本ジュール・ヴェルヌ研究会が発足しています。 話しを『海底二万里』に戻すと、今回の新訳は、とても読みやすい。 しかも、140年近く前に出版されたことをうかがわせるような語り口を残しつつ、です。またこの本の特徴は、昔の読み物である雰囲気を伝えるかのような挿絵でしょう。しかもその数がハンパでなく多い。 ちょっと変わった海の中の情景描写も、この挿絵とともに読むと、また独特の感じを受けます。 そして、なんといっても潜水艦ノーチラス号をあやつる謎の人物、ネモ船長のキャラクターが強烈。その現代文明への批判的な眼差しは、いま読んでも印象に残ります。 子どもの頃に読んだことのある人でも、秋の夜長にゆっくり読む本として、なかなかよいのでは。
by t-mkM
| 2007-10-23 23:40
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