いくつかの雑誌から。
まずは『文学界』2008年2月号。 このところの『文学界』は、あっちこっちからすごい勢いで本が出ている佐藤優氏による連載「私のマルクス」を読むのが目的になっている。 この号では他にも、「世界文学は越境する」と題した池澤夏樹・鴻巣友季子・沼野充義の3氏による対談や、大西巨人のロング・インタビューなどがあるけれど、それらはまあ置いといて、連載第11回という高田明典「メディアフィロソフィー」から。 以下、興味をひいた部分(p267)を適宜要約しつつ引用してみる。
いやー、分かりやすい。 つねづね、「若い女性の方々がやたらとルイ・ヴィトンのバッグを持っているけど、なぜ大してカッコ良く見えない(もっと言うとカッコ悪い)のか?」と疑問だったんですが、この説明で腑に落ちました。 なるほどね。 続いてアスペクトのPR誌、『アスペクト』2008年1月号。 このPR誌、なかなか読みどころがあって、お得です。先日、芥川賞を受賞した川上未映子さんもエッセイを書いている。 この号での注目したのは、末永昭二という人の連載で「第10回 電気系文学(1)ー鮎川哲也と真空管アンプー」という記事。 なんでも、『電波技術』という雑誌の昭和47年3月号に「オーディオマニア訪問」という記事があって、そこには推理作家の鮎川哲也のお宅訪問記事が出ているのだとか。しかもこの『電波技術』の記事には、「掲載前に鮎川のチェックが入っていないようなのだ」そうで、あまり自分を語らなかった鮎川の生の声が表れているようなのだ。 ちなみに末永氏の文中には鮎川のエピソードとして、「執筆中の面会は絶対に謝絶」「写真を撮られるのが大嫌い」「競馬が嫌いだから絶対に作品に出さない」といったことが出てくる。それに鮎川はオーディオ機材にも詳しかったようで、なんと驚くことに、パワーアンプとスピーカーは鮎川自身の制作とのこと。ちなみにこの自作真空管アンプは、末永氏の記事中にも写真が出ているけど、けっこう本格的。鮎川さんって、「アキバ趣味」の持ち主でもあったらしい。(いまのアキバは違うようだけど) そうそう、昨日手に入れたこちらもフリーペーパーの「R25」に、菊地成孔のインタビューが載っていた。 売れてるなぁ、菊地成孔。 「不良の香り」という出だしだっただけど、不良ねぇ。というよりも、「夜、地下室、煙草、酒、...」というイメージか。いまどき流行らない「不健全、不健康」というか。 インタビューの最後の部分が、なかなかよかった。 いずれにせよ、このまま(ロハスとかに突如改心せずに)突っ走ってほしいものです。
by t-mkM
| 2008-02-15 23:45
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