飲んだ話が続いたので、本の話も。 まずは最近読んだ本から。 『現代日本の小説』尾崎真理子(ちくまプリマー新書) 記者として読売新聞の「文芸時評」を担当してきた著者が、ここ20年あまりの日本における文学・小説の移り変わりを、幅広い実作品にふれながら追いかけた本。よしもとばなな・村上春樹がブレイクした1987年における文学観の変化を皮切りに、昨今のワープロや携帯の普及が読み手=書き手にもたらす影響なども視野にいれた目配りのきいた記述が印象に残る。また新聞記者らしく、文章もスラスラ読める。(まあ、プリマー新書だし) “最近の純文学”の動向を手早く知るには、格好の本でしょう。 つづいて、最近知って買ったリトルマガジンに『イワト』というのがある。 購入したのは第2号で、定価は320円。新書に毛が生えたくらいの大きさで、48ページ。表紙やタイトルの文字が、なかなか凝っている。 「イワト」というのは神楽坂にある小さな劇場の名前。でも、このマガジン自体はその劇場の活動とは独立しているようで、とくに劇場の公演予定や紹介などが載っているわけではない。(一部、そうした記述もあるけど)ちなみに発行は「イワト雑誌部」とある。 古今亭志ん輔という落語家さんの「志ん朝とジャズ」なんていうエッセイが最後にあって、ほかにも落語家の寄稿がちらほら見える。「茅場町 森岡書店」という古書店主のエッセイも。 近いうちに3号が出るようなので、ちょっと楽しみ。
by t-mkM
| 2008-04-17 23:20
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