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2011年

「あけまして...」と書きたいところなのですが、喪中ですので新年のあいさつは失礼いたします。
昨年は久しぶりに春の一箱古本市に出店したのをはじめ、各地で行われた一箱的な古本市にも精力的?に参加し、それなりの成績を残せた一年だったように思います。ありがとうございました。
今年も「古本T」をどうかよろしくお願いいたします。


昨日3日、昼過ぎから上野公園へと向かい、水族館劇場のメンバーによる路上芝居「さすらい姉妹 寄せ場興行 2010>>2011」を見に行った。今回の芝居は桃山さん作・演出による「風の吹く街」。
http://www.suizokukangekijou.com/sasurai/

舞台となるのは終戦直後の焼け跡の残る街。生きていくために他人を蹴落としたり、ときにはむきだしの暴力にさらされたりしながら、失われてしまったつながりを探り求める人びとの交錯が演じられる。路上芝居なので、頭上を飛んでるヘリコプターの音などもお構いなしに響いてくるけれど、今回の芝居ではそれすらも効果音に聞こえてくるようだった。観ていて、昨年の水族館劇場の本公演「NOMAD 恋する虜」の内容がふと頭をよぎった。

芝居の終わったあと、劇団員や関係者、"水族館応援団"の方々とその場で打ちあげ。寒かったけど、桃山さんをはじめ劇団の方々ともいろいろ話しができたし、こちらもちょっと元気をもらった感じ。
今年の本公演はいまだに未定らしいけど、実現に向けて動き出してもいるようなので、期待したい。
# by t-mkM | 2011-01-04 01:25 | Trackback | Comments(0)

久しぶりに早稲田松竹へ

映画の公演情報を見ていたら、『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』と『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を2本立てで上映しているというので、日曜日は久しぶりに早稲田松竹へ。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/nowshowing.html
ブログの過去エントリによると、『パフューム』を見て以来のようで、3年ぶりだ。

まずは『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』。
15時20分からの回はほぼ満席の状態。こんなにお客の入っている早稲田松竹を見るのは初めてかもしれない。
公開されたころ、あちこちで好意的な感想を目にしていたのはまだ記憶に新しいこともあって、それなりに期待して見たけど、そうした評判も十分うなずける内容だった。リハーサル映像の寄せ集めと言ってしまえばそうなんだけど、それら映像のどれもがかなりのハイテンションで、周りの若いダンサーやバックの演奏はアツイ。ステージで使われる映像に3Dも予定されていたり、昔の名優と”競演”したりと、曲ごとにかなり凝った演出がなされている。
しかも、そうした演奏や演出のすべてに対し、マイケル自身がステージで歌い、踊りながらも細かい指示を出していく。もちろん舞台監督は別にいるけど、すべてを把握して仕切るのはマイケル本人。そんなマイケルに、スタッフ全員が「ファンを未知の領域へ」と応える。たしかに「実現していたら語り継がれるステージになっていたかも」と思わせるに十分なリハ映像だし、実際、完成の域に達していたのではないか。
ただ最後の方で、「地球を癒そう」などのメッセージが出てくるのには少し興ざめ。

つづいて『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』。
こちらは17時半から始まりで、この時間になると座席もわりと空いていた。
すでにDVDも買って何度か見ているけど、やっぱり大音量、サラウンドで聞かないとね、とつくづく感じた2時間だった。
なにより、拍手が後ろから聞こえてくる!(映画を観に来た客ではないと思うが)この臨場感はウチではとうてい無理。それに、自宅では小さいと思っていた拍手の音も、劇場で聞いてみるとサラウンドとも相まってほどよい大きさだ。当たり前かもしれないけど、映画ってのは劇場で見て最適に作られているんだなと実感した。
またDVDでは聞き取れないようなBGMにもあらためて気がついたりと、細かい発見もあったし。
もっとデカい劇場で楽しみたいな。

で、2本続けて見て感じたことなどを。

片や「実現しなかったコンサートのリハーサル映像」で、もう一方は「カメラ18台を駆使して実際のコンサートを丸ごと映画にした」もの。制作・公開された意図も経緯も違うけど、どうしたってリアルのコンサートの臨場感に軍配が上がりがちなのは仕方がないだろう。別にどちらがいいとかということではないけれど。
もう少し気がついた対称的な点をつづけると、「スタッフ一丸となった周到なリハーサルの積み重ね映像」に対して「セットリストを教えろという監督に”コンサート1時間前には教えるよ”とうそぶくミック・ジャガー(実際は違うだろうが...)」、「3D映像や炎がステージを走り回るなどショーとしてのコンサート」と「バンドメンバー以外は照明効果だけのシンプルなステージ」、「地球環境への配慮や人類愛?を訴えるマイケル」に対して「ステージ上でタバコを吸いながら歌うキース(吸いかけのタバコを吹き飛ばすシーンもある)」などなど。

ストーンズへのひいき目が(かなり?)あるにせよ、こうして続けて映画を見ると、この2本立てはマイケルにはちょっと残酷な気もしたのだった。とはいえ『THIS IS IT』、マイケル・ジャクソンがどうして"King of Pop"とまで呼ばれるのか、その一端は十分にうかがえる。

この2本立て上映は今週24日(金)まで。
# by t-mkM | 2010-12-21 00:45 | Trackback | Comments(0)

「牧野伊三夫展」@HBギャラリーへ

昨日の土曜日。
いつものようにジムへ行き、久しぶりに1時間と少しかけて10キロを走った。
すこしだけペースを落として走ると、長時間のランニングでもけっこうこなせることが分かったのは収穫。

午後も遅くなってからK(かんから)と表参道へ。
忘年会の時期だからなのか、久しぶりに行われている街路樹イルミネーションのせいなのか、スゴイ人混み。もうそこに身を置くだけで疲れてくる感じ。そんな人混みをぬけて路地の裏手へと入っていく。目指すはHBギャラリーで行われている牧野伊三夫さんの個展。

HBギャラリー → http://www.hbc.ne.jp/hbg/

こちらのサイトでは展示作品の一部が見られる
http://www.cre-8.jp/pickup/pickup.php?pickup_id=372

昨年もうかがったが、今年の展示では牧野さんが自費出版したらしい『ただセックスがしたいだけ』(著者は桐野夏生)の挿絵である、木版画による一連の原画が目を引く。もちろん、この自費出版本は会場で買える。
ぐるっと会場の展示作品を見てから、K(かんから)が「どれがいちばんいいと思った?」と聞くので、ある木版画を指したら、「私も」とのこと。昨年とは違って今年は意見が一致したようだ。

個展は今月22日(水)までの開催。

その後はさらに混雑してきた表参道から移動し、このところ恒例の忘年会に参加。
いつものように飲み過ぎ。
# by t-mkM | 2010-12-19 23:49 | Trackback | Comments(0)

今年の文芸作品:全国紙の記事から

すでにもう12月も後半。
今年も各方面で”回顧モード”に入っていて、「年間ベスト10」が出ているようだけど、小説関連で目についたネット上の情報から以下をメモ。

「「悪」の追求切実な主題…文芸」
(2010年12月14日  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20101214-OYT8T00537.htm

文芸評論をやっている5氏がベスト3を選んでおり、辻原登の作品が3氏に取り上げられていたのが目についた。全体的にわりとベテランの作品があがっているなか、新人に目配りという点で、斎藤美奈子の取りあげていた3冊(広小路尚祈(なおき)『うちに帰ろう』、木村友祐『海猫ツリーハウス』、中森明夫『アナーキー・イン・ザ・JP』)が毛色の異なる感じだった。

「文芸:この1年 編集部 ベテランから若手まで厚み/強固な小説空間創出の試み」
(毎日新聞 2010年12月14日 東京夕刊)
http://mainichi.jp/enta/book/news/20101214dde018040059000c.html

編集部の二名による5冊ずつ取りあげてのコメント。
記事の最後に、「綿矢りさ、金原ひとみ、青山七恵ら、83~84年生まれの若手女性作家の活躍も目立った。この一群に、今年はデビュー作『流跡』でドゥマゴ文学賞を受賞した朝吹真理子が加わった。」とある。

こうふり返ると、まだ知らない、読んでない、面白そうな本があるよなぁ。
# by t-mkM | 2010-12-17 01:39 | Trackback | Comments(0)

新潮新人賞の受賞作『工場』を読む

いつものようにちょっと前の雑誌から。
今回は『新潮』11月号。
新潮新人賞の受賞作が2作掲載されていおり、そのうちの『工場』小山田浩子を読んだ。

例によって、「文学は面白いのか(仮題)」さんが絶賛していたこともあって手にとったのだが、読み始めると引き込まれて、一気に読んだ。
インタビューによれば著者は26歳主婦。長編小説を完成させたのはこの作品がはじめてだとか。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/20101007_1.html


主要な登場人物3人の視点が入れ替わりながら場面が進んでいく構成や、しだいに時間が前後する記述が増えて現実感覚がぼやけたりするところはなかなか。また、3人それぞれの職場を描きながら巨大な"工場"の得体の知れない雰囲気がうまく醸し出されていたり、職場の同僚と交わされる会話のリアルさなど、およそ初めて長篇をまとめたとは思えない。滑稽でありながらもどこか人物描写に毒気があったり、リアルな会話が交わされつつもシュールな場面がいきなり現れたりするところも凝っているし。

なお選評で、福田和也が「候補作の中で、社会があり、他者が存在しているのは、この『工場』だけだった」というようなことを書いており、町田康の選評でもそんなような文章があった。そういえば『文学界』11月号では、新人賞の下読み委員の覆面座談会が掲載されていたけど、
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/bungakukai1011.htm
最近の文学新人賞への応募作って、そんなにも自分語りばっかりなんだろうか。
# by t-mkM | 2010-12-15 01:33 | Trackback | Comments(0)