音魂、受賞者決定

ネットでニュースを見ていたら、こんな記事に出くわす。
「小樽の洋品店主・鈴木さん、20世紀後半の音楽事典刊行 国内外を網羅」(北海道新聞)


「あれっ?」と思って壁際の棚を見る。
やっぱり、先日図書館で借りてきた、
『音魂大全』鈴木創(洋泉社)の著者にインタビューした記事だった。

この本、「史上最強の20世紀ミュージック・エンサイクロペディア」という副題のとおり、ジャズやロックを中心として20世紀後半のポピュラー音楽を網羅する680ページを超す大作。でも著者の鈴木さんは音楽評論家ではなくて、洋品店を経営している。ご自身のサイトを見た出版社の社員にすすめられて、本にまとめたのだとか。
それにしても、ものすごい情報量。
個人的には、1950年から一年ごと、その年に発表された一枚のアルバムを中心に語っていく第一部「音魂クロニクル」に惹かれた。

鈴木さんのサイト http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/

と書いていたら、
芥川賞と直木賞の選考結果のニュースが。

よくみると、今回受賞した作品の版元は、全てが文藝春秋だ。
とくに芥川賞の場合は、受賞作以外の候補作は全て新潮社の文芸雑誌「新潮」に掲載された作品だったことを考えると、ちょっとどーよ、とも思うのだが...。
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-13 00:04 | Trackback | Comments(0)

マンガ古雑誌

それにしても蒸し暑いのなんの。
東京ではあまり雨は降っていないが、湿気だけは十分に梅雨である。

未来社のPR誌『未来』7月号をパラパラと。

先日参加した下北沢のトークイベントに出演していた、ブックピックオーケストラの内沼さんが、「ぼくが「本屋」と名乗るまで、そしてこれから」という一文を寄せている。
たしかに、なんとなく「何をしているのかよく分からない」という印象をもっていたのだけど、これを読んで、「本屋」であることがよーく分かった。

なんとなく目に止まったので、
『マンガ古雑誌マニア』江下雅之(長崎出版)を見る。

むかーし昔は本屋に行ってはマンガをせっせと立ち読みしていたものだけど、それでも単行本や雑誌を定期的に買う、ということはあまりなかったような気がする。マンガに疎くなってずいぶん経過したせいもあり、またKも最近では似たような状況らしいので、古本Tではマンガは扱っていない。というか、よく分からないので手を出していない、というのが正直なところ。

でも、こういう本が出るくらいだから、この著者のようにマンガの単行本からはじまって雑誌にまで収集の範囲を広げているマニアって、けっこういるのだろう。
でも古雑誌って、ツボにはまると、「たかが雑誌一冊で、大の大人が延々と雑談にふけることができる」(あとがき)ということもあるし、古本屋としては興味のある分野ではある。
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-12 23:43 | Trackback | Comments(0)

中田引退、地球温暖化

いろいろあったサッカーのW杯も、ようやく終わり。
過ぎてみれば、「日本代表がブラジルに勝つ見込みは!?」なんていう絶叫TV番組があちこちで報道されていたなんて、はるか昔のような気がしてくる。
ともあれ、(遅れましたが)日本代表の選手のみなさん、お疲れさまでした。

サッカーといえば、中田選手の引退が大きなニュースになっているけど、聞くところによると、朝日新聞は一面トップで「中田引退」のニュースを掲載したとか。
ワタクシの職場の方いわく、
「ニュースなのは分かるけど、スポーツ新聞でもないのに一面トップとはねぇ」
と驚かれていた。
現物の紙面を見ていないので何とも言えないが、その日はたまたま、トップに持ってくるようなニュースが無かったのか。(そうとは思えないけど)

そういえば朝日新聞は、このところさかんに「ジャーナリスト宣言」をしている。
となると、これが「朝日の考えるジャーナリズム」なんだろうか。それでいいのか、という気はするが。



前に読んだ『環境問題のウソ』池田清彦(ちくまプリマー新書)で参考文献にあげられていたこともあって、
『地球温暖化論への挑戦』薬師院仁志(八千代出版)を読んでみた。
著者は社会学者。自然科学者ではないので、さすがに環境測定の細かい話までは出てこないが、人為的地球温暖化論(=二酸化炭素の排出量増加によって地球が温暖化しているとする見方)に対して、過去の大きな気候変動まで視野に入れつつ、文献やデータにもとづいて広範囲にわたる批判的な検討がなされている。といっても著者のスタンスは、人為的地球温暖化論への反論ではない。あくまでシロウトの素朴な疑問にもとづいて、納得できない点をしつこく追求していく点に、この本の意義があるように思う。
文献リストはきちんとしているので、著者の主張を再検証してみるのも一興かも。

日本にいると、京都議定書を批准しないアメリカはけしからん、といったパターンにはまりがち。でもちょっと立ち止まって考えてみると、温暖化の原因に二酸化炭素があるとしても、どの程度の量がどれくらい温暖化を加速させると予想されているのか、答えられる人はあまりいないのではないか。温暖化への対策といっても、原因の除去(この場合は二酸化炭素の排出量を減らすこと)と対処療法的な面とがある。どちらに重点を置くかは、もちろん予測の科学的根拠と温暖化のスピードによるだろうし、国の財政事情とも関係してくる。

先に読んだ池田氏の本ともあわせて考えると、アメリカが京都議定書の枠組みに入らない意味について、「自国中心主義」といったレベルではない、多様な角度からの掘り下げた分析が必要ではないか、とも思った。
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-11 23:32 | Trackback | Comments(2)

仲俣x小熊 トークセッション

昨日は仕事を早めに切り上げて、仲俣暁生さんと小熊英二さんのトークセッションに参加するべく、ジュンク堂の新宿店へ。
ちなみにこのイベントは、仲俣さんの新刊『<ことば>の仕事』のプロモーションの一環とのこと。

当日、出かける前にジュンク堂新宿店のサイトを見たら、このトークセッションのことが掲載されていない。「ひょっとして中止になったの?」と心配したけど、ちゃんと受付が用意されていたのでホッとひと安心。
(それにしても、自サイトにイベントの告知を掲載した以上、終了するまでは当該イベントの内容くらいは掲載しておくべきではないのか)

仲俣さんもブログで書いていたように、当日は会場の外(とはいえ店の売り場だけど)に立ち見の人もそれなりにいた。また、拡声器であるラジカセ(!?)の音が小さくて、お二人の声がやや聞き取りづらかったのは、ちょっと残念ではあった。

仲俣さんがご自身の新刊の意図などを話すことからセッションが始まったのだけど、セッションの前半は、いまひとつ両者のやりとりがかみ合っていない印象を受けた。それに比べて後半、小熊さんが編集者時代を振り返って、「作家という人たちは呪われた人種である」と先輩編集者に言われた、といった思い出を口にされたころから、俄然エンジンがかかり始めて、ご自身の仕事に対する正直な思いなどを聞くことができたのは、なかなか楽しい時間だった。

憲法改正や教育基本法改正といった「ホット」な政治問題について、新聞のオピニオン欄などで小熊さんのコメントを読むことがわりとあるのだけど、いつもその冷静で独自な視点に学ぶところが多かった。
けれど、このトークセッションの後半では、9.11以後で世界が変わったなんて考えているのは世界で10億人程度、だとか、ご自身も含めて作家が文章を書くことは仕事への「愛」などではなくて、「呪い」のようなものではないか、といったことなど、落ち着いて受け答えていた前半に比べ、小熊さんの率直な物言いが印象的だった。

仲俣さんによれば、本の販促としてトークセッションを続けていくとのこと。
これからも、作家の意外な一面が垣間見えるとおもしろいな。
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-08 22:35 | Trackback | Comments(0)

新着本をアップ

今週も新着本をアップしました。
今回は15冊で以下の通り。

『日本の流民芸』 鎌田忠良
『波の記譜法 環境音楽とはなにか』 小川博司、他
『辞書漫歩』 惣郷正明
『新藤兼人映画評論集1 私の足跡・独立プロ三十年のあゆみ』
『しゃれ・ことば 言語遊戯クロニクル』 斎藤良輔
『アール・デコの時代』 海野弘
『ユリイカ 1976年6月臨時増刊』 総特集「シュルレアリスム」(巌谷國士 編集)
『カラー 浮世絵の秘技画』 福田和彦
『デビッド100コラム』 橋本治
『夢野久作全集4』 「ドグラ・マグラ」

[以下は保育社カラーブックス]
『茶碗のみかた1』 野村泰三
『茶碗のみかた2』 野村泰三
『やきもの風土記』 崎川範行
『やきもの入門』 田賀井秀夫
『駅弁旅行』 石井出雄

日本の推理小説の古典から流民芸、環境音楽から浮世絵と、
ワタクシたちの興味の赴くままに集めていたら、今回はこんな感じに。
ぜひ、サイトの方もご覧ください。

http://t-furuhon.com/page_new/page_new_1.html
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-05 22:14 | Trackback | Comments(0)

芥川・直木賞の候補作、環境問題

すでに報道されていたけど、第135回芥川賞・直木賞の候補作が発表された。
(以下は文藝春秋のサイトから)
芥川賞候補
直木賞候補

今回の芥川賞候補作は、新潮社の文芸雑誌『新潮』からの作品が5作中4作を占めていて、専門家?による憶測 もあるようだけど、どうなることやら。
一方、直木賞のほうだけど、伊坂幸太郎が5度目の候補とか。でもなんとなく、今回も受賞を逃すような気が...。

選考会&発表は7月13日。



今年の2月に刊行された本で、気になっていた
『環境問題のウソ』池田清彦(ちくまプリマー新書)を読む。

このちくまプリマー新書って、たぶん中高生がターゲットで、岩波ジュニア新書の読者層ともかぶるのではないか。そうした中高生向けの分野にも関わらず、こういった「正論に異を唱える」ような内容の本が出ることは、ちょっと画期的?のように思うけど、どうなのだろう。
ま、それはさておき。

本書の中身は、たしかにタイトルどおり。
地球温暖化からはじまってダイオキシン、外来種、自然保護という4つの問題について、世間一般に流布して定着している(と思われる)さまざまな言説を、マスコミにはあまり出ないデータや推論にもとづいて批判していく、という内容である。
この本で著者はたびたび、「どんな行為にもメリットとデメリットがあり、デメリットの方がメリットより大きければ、お題目が立派でもその行為はおやめなさい」と書く。
それはその通りなのだが、問題はどういう基準でメリットとデメリットを分けるのか、ということだろう。この点についての突っ込んだ記述が見られないのは残念。
でも、自然環境の問題について、対立する見方や意見、データとその解釈を示して分かりやすく見せる点で得難い本であるし、大人でも一読する価値はあるように思う。

ちなみにこの著者は「構造主義生物学」という立場にたつ研究者。
以前に『構造主義科学論の冒険』(講談社学術文庫)を読んだけど、印象に残っているのが「客観的真理の外在性を仮定しなくても、科学研究は遂行できる」。つまり、真理なんてことを目指さなくても、科学の研究は十分に可能だ、ということ。(詳しくは上の本を読んでください)

まあ理工系の研究って、往々にして唯一の解を追い求めがちになるものだけど、自然環境の問題では、「これが原因でこれが解決策だ!」的なスッキリしたものにはならない方がフツーのような気がする。
そういう意味でも、少数の異論にも耳を傾けるのは大事かも。
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-04 01:12 | Trackback | Comments(0)

トーク・セッション@気流舎(下北沢)

一昨日、1日の土曜日は下北沢へ。
ウラゲツ☆ブログのエントリで知った、「気流舎」という古書店になる予定のお店で開催されたトークセッション『本・棚・都市』に参加してみた。

この気流舎、じつはまだオープン前で、ご自身で手掛けている内装もまだ未完成とのこと。なので、会場となったその店には材木などが脇に積み上げられていたり。しかも4坪という広さ。なんだけど、けっこうな参加者があって満員だった。

本・棚・都市を編集する、というところから話しがはじまり、現在の書籍の流通実態や新刊書店を開店する際の敷居の高さ、それに比して古書店開業のハードルは低いこと、ベータ本というアイデアなど、気流舎の方も最後に言われていたけど、ウラゲツさんの前向きな話しぶりが印象的だった。
またブックピックオーケストラの内沼さんが話された「本を本棚から解放しよう」という考え方や、「なぜ行列ができる本屋は無いのか?」という目の付けどころから話しが広がっていったり、駆け出しの古本屋としてもいろいろと興味深く、なかなかおもしろいイベントだった。

話しの最初の方でウラゲツさんは、「いまの世の中にある決まった枠組みを(出版ということを通じて?)ずらしていきたい」というようなことを言われていたけど、版元だけでなく新刊書店や古本屋、また読者や関心ある人などもいっしょになって、持続的な活動ができるといいな、と思ったりもした。

そうそう、気流舎さんのオープンも楽しみだ。
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-03 00:38 | Trackback | Comments(2)

新着本をアップしました

このブログでの報告が遅れましたが、一昨日、新着本10冊をアップしました。
以下が今回のリストです。

『日本のきもの 浦野理一染織抄』
『現代の民芸陶器』 伊東安兵衛
『琉球布紀行』 澤地久枝
『画文集 山の独奏曲』 串田孫一
『別冊太陽 辰巳芳子の家庭料理の世界』
『智の粥と思惟の茶』 松山猛
『にっぽん台所文化史』 小菅桂子
『ムーミンのふたつの顔』 冨原眞弓
『絵本のつくりかた2』 貴田奈津子
『コレクション』 ジュンコ・コシノ

今回はおもにKのセレクトが強調されているでしょうか。
ぜひサイトの方もご覧ください。
http://t-furuhon.com/page_new/page_new_1.html
[PR]
# by t-mkM | 2006-07-01 00:12 | Trackback | Comments(0)